ふたりの男【YG×JN】 (ページ7)

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Yoongi side

彼女と出会ったのは大学2年生の夏だった。

「私、Aです！今日ペアみたいなのでよろしくお願いします。」

短期のアルバイト先で出会った。

第一印象は元気だった。

暇なバイトだったため、

他のペアは初めて出会った同士なのに話していて

しかも盛り上がっているようだった。

一方俺のところはというと、

全く盛り上がってなかった。

「暇だね～」

彼女の話に大した反応も

気の利いた返しもできなかった俺を見限ったのか

暇だという事実をただ述べるだけになっていた。

少しの申し訳なさを感じていたが、

俺にこの状況を打破する能力は持ち合わせていなく

今日がこのバイトの最終日だから

関係を築く必要もないと諦めていた。

だけど、

「私今日ホントはライブ行く予定だったんだよね」

と、話し始めた彼女に
基本となる5W1Hの一つである誰という質問をして

「この人たち！」

と、見せてきた携帯のロック画面には
俺の好きなアーティストが映っていた。

「え、好きなの？」

「え、うん。もしかしてユンギくんも好き？」

「うん…」

そこからはその話で持ちきりだった。

なかなか会うことできない共通の趣味を持った異性

そして話の合間にいれるユーモアあるツッコミが

あまり笑わない俺に油断を生んだのか、

俺は自然と家族の話など普段は話さないような

踏み込んだことを自ら話していた。

そして、バイト終了時間が近づくと

もう少し一緒にいたいという感情を抱いており

どうやって連絡先を聞こうか、

彼氏が既にいないか、など

あらゆる問題が頭の中に湧き出ていた。

明らかにいつもの自分ではなかった。