ふたりの男【YG×JN】 (ページ3)

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Jin side

話していく中で、

最初の印象が下がることはなく、

むしろより好感を持てた。

リアクションが上手で表情豊かな彼女は見るに飽きず、

またたまに口から吐かれる毒が会話を盛り上げた。

「私さ、ユンギが初めて仲良くなった男の子の後輩なんだよね！」

3人の会話の中心はユンギだった。

それも仕方ない。

2人の共通点はユンギの知り合いというところにあるのだから。

そして、この時知ったのだが

彼女は俺たちより2歳年上で来年から社会人らしい。

「出会った当日にタメ口使ってくるんだよ！舐めてるよね」

少し不貞腐れたようにユンギを見つめる彼女に

ユンギは笑っていた。

ただ俺はその事実に少し驚愕した。

だって、ユンギは他人に心を開くのが人より遅く

小学校でまだガキ同士だった俺にさえ

1年程経ってようやく距離が縮まった。

そのユンギがタメ口を話すのは心を開いた証であり、

一目惚れの定義は明確にわからないが、

出会ったその日には好きになっていたのだろう。

「まあ年上感はない。」

ぶっきらぼうにそう返したユンギに

彼女はよく言われる、と無邪気に笑ってみせた。

だけど、俺はこの時ユンギが子どもに見えた。

僅かではあるが、

自立を表していない言葉に対しての反応が

俺には子どものいたずらを許す

大人のように見えて、寛大に思えたからだ。