聲の形

誰が、"石を投げたか"。 ページ4

ある日を境に、クラスでの彼女への"不満"が高まっていった。


ある日は教師の采配で。


またある日は、小癪な手口で。




そしてまた、待遇で。



彼女はどんどん、孤立していった。

私以外に彼女との関係を築いていた佐原さんも、勿論"それ"の標的に当てはまり。
ついには、学校にも来なくなってしまった。




そうなれば、彼らのターゲットは自然と"私"へと切り替わる。

『あいつってさ、西宮さん以外に友達いないっぽいよね。』


『ふふ…っ、なおちゃん言い過ぎだよ…！

でも、あんまり西宮さん以外とお話ししてるところ、見ないね？』



流石小学生、と言ったところだろうか。
本人が通る真横で堂々と本人の話をするとは。

いかにも陰湿で、反吐が出る。

けれど私は、幼い頃の臆病な私じゃない。
やるなら、徹底的かつ。逃げ道のないように。

追い込まなきゃ。


『_____性格悪っ。』


『な……っ、！』



嘲笑うように、二人によく聞こえる声でそう告げて。その場を去る。上手く刺激出来たようで、植野の方は怒りの声を上げていた。

もっと、もっと怒ればいい。
考えられないくらいに、標準を私に向ければいい。


そうしてくれたら、後は私が。
美味しく料理してあげる。

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