【妖怪ウォッチ】溶けない氷と命の灯火【大ガマ】 (ページ7)

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いきなりで宜しいので？ページ7

『ところで、お嬢さんの名は？

オレだけ名乗って教えてくれないって事はねぇよなぁ？』

死ねた事に達成感を覚えていると、大ガマさんから名乗れと申し出られてしまった。

名乗っても良いのだろうか。
一応、ほら…知らない人には話しかけるな、着いて行くなって良く言われてるじゃない。

明らかに変な格好してるし。

いや、別に侮辱してる訳ではないのだけど。

『白鷺 Aです。

助けて頂いてありがとうございます。』

一応名を述べた後、ぺこりとお辞儀して礼を告げる。

初対面の変質者極まりない男に、こんなに礼儀正しくしなくても良いのでは？と一瞬思ってしまった事は内緒だ。

『Aか、良い名だな！

早速だが…お前、何か人間界に未練とかねぇのか？』

『未練、ですか？

…えっと、無いですが。』

だって毎日死ぬ事を目的として生きていたから。

やりたかった事とか、未練とか…そういった類いとはほぼ無縁だと思う。

『そうなのか？

なら可笑しいな、未練の無い奴がこんな所に落ちてこない筈なんだが。』

『それは、何故ですか？』

『ん？

だってよぉ…さっきも言ったが、オレは妖怪で
此処は妖魔界の平釜平原って場所だ。

本来、未練も何も無い死んだ後の人間はこんな場所に落ちて来る筈がないんだよ。

妖怪は人間の未練の塊で出来た存在だからな。』

『なるほど、つまり私は未練無くして此処に堕ちた未知の存在って訳ですか。』

私がそう纏めると、大ガマさんから『簡潔に言うとそんな感じだな、物分かりの良い奴で助かったぜ！』との一言を頂戴した。

それは良いとして、私はこれからどうすれば良いのだろうか。

　
『さ、て…大体の事の説明はついたな！

後はAの管理をどうするか、だが…。

なぁ、お前…本家に来るか？』

土蜘蛛んとこに連れて行くのも面倒だしな、とポリポリと頭を掻いている大ガマさん。

面倒って言ったなこの人(？)