もちもち幼女に転生しちゃいました 『2』【名探偵コナン】

9 ページ1

安室『いらっしゃいませ。あぁ、コナン君。いらっしゃい、今日は何の用で？』

コナン「こんにちは！安室さん！あのね、安室さんに会わせたい人がいて……………」

安室「僕に？」

コナン「うん！Aちゃん、おいで」

ぴょこん

A「あ、あの………………」

安室「 初めまして、安室透です。」

その言葉にズキっと胸が苦しくなった。

"初めまして"………………初めて会った人に贈る言葉だ………………本当に、覚えてないんだ………

A「かみやま、Aです…………よろしく」

安室「よろしく、Aちゃん」

手を出されたが、握手を出来る状態じゃなかった。思わずコナン君の後ろに隠れてしまった。

早くこの場から去りたい……………そんな気持ちが胸の中にあった。

コナン「ご、ごめんね！この子シャイなんだ！また来るね！」

―――――――――――――――――

コナン「覚えてなかったね…………安室さん………」

A「しょうだね〜どうしよ」

コナン「大丈夫、きっと…………Aちゃんの事覚えている人がいるから。僕も全力で探してみる」

A「ありがと！」

コナン「とりあえず、博士の家に行こうか！このままじゃ雨も降ってきそうだし……………」

A「ひとりでいけるよ！みちしってる！」

コナン「ほんと？でも小さい子一人じゃ…………」

A「だいじょぶ！ちゃんといけるから！」

―――――――――――――――――――――

とぼとぼと道を歩く。下ばかり見て、何も考えずに………………

本当は、一人になりたかった。コナン君と一緒にいたら、きっと泣き出しちゃうと思ったから。

ポツポツと雨が降り出す。

当たると冷たくて、寒くて………………すごく、寂しくなった

ドンッ

『ちゃんと前見て歩けよ！ガキ！』

A「しゅ、しゅみません…………」

それと同時にバシャと車が跳ねた水がかかる。

何だろう、とっても……………辛い。泣きたくても………

泣けない

A「ここ……………はかせんちだ………あっ！」

バンッ

痛っ………………転けた…………何やってるんだろう………私………

A「っ……………ひゃ……っ……ひっく……」

泣いちゃ駄目……………いい歳して、泣くなんて………

グッと涙を抑えようとするが、溢れ出て止められない

A「ふぇっ…………っ……くっ…りぇいしゃ……」

ふと、雨がかからなくなった。

『そんな顔をするな。君に涙は似合わない』

10〜忘れられた存在〜→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す