10 ページ34
｢それも、そやな｣
うわ言のように述べる流星の言葉には信憑性が薄く、ちょっと不信に思ったが、いつもの事なのでスルーすることにして何度も揺られたアクセルの雑な運転に身を任せることにした
マンションに着くとそのまま駐車場に車を入れた流星はテイクアウトしたビニールをもって32%まで回復したスマホの充電コードをしまおうとモタモタしていた俺側に回りドアを開けてくれた
｢ああ、ごめん｣
｢せやから、俺のコード使えばええ言うたやん｣
｢電力も使うのに悪いやん｣
｢変わらんやろ｣
｢ええの！｣
充電さしてくれたのもドア開けてくれたのもお礼を言いたいけどいらんこと言うて来るから難しい
素直になるって案外簡単やないんやな
リモートでロックしながら出口に向かっていく後ろについて行く
広いエレベーターに乗り込むと何故か思っている以上に近づく流星にこいつはホンマに気心知れた中だとパーソナルスペースが狭くなるなぁと思う
｢はい、前よりは綺麗やと思うけど、｣
｢お邪魔します｣
何度が来たことがある流星の自宅は相変わらずセンスのいい家具でなんならちょっと雰囲気のある内装だ
らしいと言えばらしい
｢ハイボールでいいー？｣
見渡しながらダイニングに入って、テーブルにご飯を並べているとキッチンの流星からお声がかかる
｢おーん！ありがとー｣
テキトーに答えて一通りラッピングを開けてると飲み物類を持ってこっちに来たので食べ始めることにした
｢うま！これめっちゃ美味しい！｣
｢せやろ？淳太に教えて貰ってん｣
｢だからか、どこの？｣
｢また、教えるわ。買いすぎたぐらいやからもっと食べてええよ｣
｢やっぱ買いすぎやったんやん｣
｢残ったら残ったでええねん｣
そんなこんな言いながら、明日の朝食分くらい残して俺らは夕飯を後にした
ササッと片付けてもう少し飲むかということになり、リビングに移動する
店が家になっただけで話す内容や態度が変わる訳でもなし、むしろ気兼ね無く飲めるので案外宅飲みもいいなと思っていた
�陲舛磴鵑箸�神ちゃんとか照史も呼んだら楽しなるやろうし、俳優仲間も呼んだらもっといい
ああ、照史と神ちゃんはペットおるからあかんか
まぁ、2人でも別に楽しいから今日はいっか
｢のぞむー？｣
｢なにー？｣
｢ちょっと話しときたいことあんねんけど｣
語尾が伸びがちではあるが、少し改まったような声色にグラスに伸ばした手を止めて流星の顔に視線を向けるといつもと変わらない吸い込まれるような瞳で俺を真っ直ぐ見つめていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茉莉花(プロフ) - 哀さん» ありがとうございます！リアル感を感じてくださるとは嬉しすぎる (9月12日 3時) (
レス) id: c94a7fe177 (このIDを非表示/違反報告)
哀 - はじめまして。どのお話も素敵です…リアル感もあって、好きな文章です…！受け桃がとにかく可愛い、、、読んでいて幸せでした！ (9月11日 21時) (レス) @page39 id: 4a70051e2e (このIDを非表示/違反報告)
カミツレ(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます！！普段あんまり褒められないので凄く嬉しいです！！また見てやってください。 (8月7日 9時) (レス) id: c94a7fe177 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 夏×学パロ×青桃って最高です…積極的な青さんたまりません💕更新ありがとうございます！ (8月6日 13時) (レス) id: 127582e3c7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カミツレ | 作成日時：2023年6月3日 0時
