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望の家の最寄りコンビニでタクシーを止めてもらった
お邪魔させてもらうし、ここは出そうとカゴを持った俺を見た望はその意図に気づいたらしい
ツマミを入れるどさくさに紛れ、スイーツやハイボール、おそらく明日の朝ごはんになるであろうパンなどもカゴに忍ばせていた
調子の良い奴だが、気付かないふりをする俺も大概、望に甘い自覚はある
初雪を待つ日本はもうすぐ年明けの真冬。
コンビニを出てすぐ、肌にあたる冷たい風に身を守るように肩を竦めた
と、その時、望の腕が俺の腕に巻きついてきた
すりつくように密着してくる望の体温は果たしてどれくらいだったか
それを感じ取ることは不可能というもの
それより何より、突然のことに跳ね続ける心臓の音が望に聞こえていないかが気がかりだった
ただ、俺ができることといえば、望を感じながら寄り添い歩くことだけだ
｢りゅうせぇ。寒いな｣
｢おん。体調崩さんようにな｣
｢大丈夫。またスノボ行きたいな｣
｢年明けぐらいにいけるんちゃうか｣
｢ん｣
まるでそれが普通のことかのように
────────────────
｢ほい、どーぞ｣
｢お邪魔しまーす｣
先にスタスタと歩いていく望に言葉で促され、あとを着いていく
洗面所から手を洗ってダイニングに戻るとキッチンで望がレジ袋の中身を捌いていた
｢なんかする？｣
｢ううん。テキトーに座ってていいよ
リビングのラックにハンガーかかってるから、上着ちゃんとかけてな｣
本音はもうちょっと望の姿を見てたいねんけど、座っとけって言われてもうたし、大人しく引き下がることにした
望の家に来るのは久しぶりな気がする
望のことだからもちろん内装もセンスがいいし綺麗に片付けられているが、その中でリモコンの位置やクッションのくたびれ具合、きっとこれから見る予定の『3』と印字されたDVDからは生活感が窺えて少し近づいた気がした
｢りゅーせー、ここ開けてー｣
リビングを区切る扉の向こうから望の声が聞こえて、咄嗟に体が反応する
どうやら望は両手がふさがっていて扉の前で立ち往生しているようだった
望の元へ向かい、扉を開けた流れでお盆を受け取る
｢ありがと、今酒類持ってくるわ｣
望はそう言いながら、Uターンしていった
やっと腰を落ち着けられると思ったというのに忙しないやつだと思わなくもないが、お盆の内容がいつもより豪華なことから望自身も楽しみにしてくれているのかと期待を持つ
立ったままなのもなんだし、机の上を完成させて待つことにするか
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茉莉花(プロフ) - 哀さん» ありがとうございます！リアル感を感じてくださるとは嬉しすぎる (9月12日 3時) (
レス) id: c94a7fe177 (このIDを非表示/違反報告)
哀 - はじめまして。どのお話も素敵です…リアル感もあって、好きな文章です…！受け桃がとにかく可愛い、、、読んでいて幸せでした！ (9月11日 21時) (レス) @page39 id: 4a70051e2e (このIDを非表示/違反報告)
カミツレ(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます！！普段あんまり褒められないので凄く嬉しいです！！また見てやってください。 (8月7日 9時) (レス) id: c94a7fe177 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 夏×学パロ×青桃って最高です…積極的な青さんたまりません💕更新ありがとうございます！ (8月6日 13時) (レス) id: 127582e3c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カミツレ | 作成日時：2023年6月3日 0時
