17 ページ17
「咲也、そわそわしてるね」
「え！？そんなことないです！」
「大アリ。行ったり来たりしてる。」
「ま、真澄くん…」
今日は千秋楽。
千景さんも無事最後まで主演を務められるこんな時に、俺の中にはまだもやもやした気持ちがあった。
「咲也、何かあったのか？」
「みんなに話す方が楽になるヨ！」
「………えっと…」
最近桃野さんと話せなかった。千秋楽、頑張るよって直接伝えられなかった。これだけはどうしても言いたかったから、迷惑だったと思うけどメモを机の上に置いてきた。
読んでくれたかな、桃野さん。
「ふ〜ん…恋か〜」
「春組が来たネ〜！」
「俺達は行ってないだろ…来るのは春っす」
「恋に関しては俺は専門外。ねえ、綴は恋とかしてないの？」
「してないっすよ、そんなの随分前に終わりました。至さんの方がゲームとかでそういうのないんすか？」
「あれ、綴って1番普通に恋して普通に付き合ってそうなのに」
「いちいち普通ってなんですか千景さん…否定はしませんけど」
「あはは、ごめん。こういうのは真澄に聞くのが1番なんじゃない？」
真澄くんはずっとカントクが好き。振り向いてもらえない時はどうするんだろう。
「カントクは、一生懸命頑張ってると見てくれる」
「！」
「俺のこと見てって思いながら、いつも演じてる。どうやったらカントクが俺に惹かれるか、考えてる。」
「相変わらずすごいな真澄は」
「うるさい。」
「どう咲也、解決しそう？」
自分のことを見て、って思いながら。俺が桃野さんの目に入るように、一生懸命に演じれば、きっと伝わる。
…なら、することはいつもと変わらない！
「…The show must go on！ですね！」
「うん、咲也らしくて良いんじゃない」
「はい！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さいや | 作成日時：2018年7月6日 23時
