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89話_ ページ45

「おー、久しぶりだな白雪。なんだ、髪伸ばしてねぇんだ」
「おかげさまで」

ニコニコと笑う巳早に対して視線をそらす白雪。緊張した様子に、ゼンはガッと椅子を移動させた。

「さ!これでいいだろ、話せ」

「まぁいいや、いきなりだけど白雪、外見13くらいの薄茶色の髪した美少年の知り合いいる?」
「薄茶色の髪…?」
「美少年だって、お嬢さん」
声色を変えた巳早に、白雪は頭をひねる。
「シュカくん…?」

思いついた名前はラクスドで今日も働いているだろう青年。だが…

13くらい、ではないよなぁ

「そいつ、あんたがここにいるの知らねぇ?」
「知ってるけど」
「じゃあ違う奴」

と、そこでコンコンと扉がノック音が響く。
「誰だ」
「失礼しますよー」

扉を開いて出てきたのはAで、ニコニコしながら部屋に入ってくるとミツヒデの横に並ぶ。

「A?」
「あ、いちゃまずい?」
「いや、それはいいがどうしたんだ?」
「ん、巳早の話が何なんだろうと気になってね」

ハハハ、と笑うAに若干顔を引きつらせた巳早と、首をかしげる白雪とゼン。

「話の邪魔はしないよ。少し気になることもあるし、使える人間は多いほうがいいだろう?ゼン」
「………わかった」

そもそもゼンが追い出すわけがないだろうに
と、ニコニコと笑うAにミツヒデが思っていたのを当の本人が知るはずもないのだが。

「それで?どういうことなんだ?巳早」

改めて問うたゼンに、巳早は頷きながら話し始めた。

曰く、牢から出てとりあえず稼ごうと船に乗ると、そこには赤い髪の娘を探す小僧が居た。

タンバルンの有名馬鹿王子の愛妾騒ぎを話してやるとそれはすでに知っていて、(これを聞いたミツヒデが渋い顔をして 子供になんて話を… と呟いていた)

巳早の話でウィスタルにいることを聞いて顔色を変えていた。

「あんたが実際城にいるならオレが話さなくてもいずれ辿り着いただろ」

そう締めくくって、白雪を見ていた巳早はゼンに視線を向けて、ニヤリと笑う。

「情報の見返りと言ってはなんですが、まとまった金か、無理なら暫くここでオレを雇ってください」

「なっ!」
白雪が声をあげ、木々でさえ若干ぽかんとしている中、ミツヒデとAはゼンを見てその表情を引きつらせた。
「あーぁー」

「それが要件か!!!」

小さく吐き出されたAの声は目を座らせたゼンの声に消されていった。

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レイ(プロフ) - うさ丸さん» 更新遅くなってすみませんっ!コメントありがとうございます!なかなか続きをかけてないんですが、これは完結まで書きます!まだこういうふうに更新遅くなる日が続くと思いますがこれは書き続けたいと思っていますっ頑張りますっ!本当にありがとうございます!! (2016年5月9日 7時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - え、消しちゃうんすか!? (2016年5月2日 22時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - 続き気になるっすね!更新頑張ってくださいっす! (2016年5月1日 21時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 御月刃さん» コメントもありがとうございます!自分なりにこれからも頑張ります!! (2015年9月13日 8時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
御月刃(プロフ) - 続編おめでとうございます!頑張ってください! (2015年9月12日 16時) (レス) id: 7136332561 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイ | 作成日時:2015年9月9日 12時

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