82話_ ページ38
タチアオイ
花言葉 豊かな実り
「忙しそうですね」
「えぇ、まぁ」
床に置かれた花をみて行われる会話
お茶に誘ったのはいいけど、会話が続かない。
この茶葉も置いていこうと思っていたのに…
「タチアオイの花…」
「ご存知でしたか」
「えぇ。昔同僚に教えてもらいました」
「というと、リリアスの？」
北の地方の名前を出すと、なぜ知っているのか、という顔。
「…少し前に北の方に行っていたので」
と、そこからは薬学やらの話に突入。
なんなく薬学の話についていく俺に驚いた顔をしつつも、その瞳は輝いていく。
「Aは、薬室の者ってわけじゃなさそうだけど」
「趣味で、花のことについて調べてるもので」
「じゃあ、どっちかっていうと植物学者に近いの？」
「あぁ、そうかも」
お茶を飲みつつ盛り上がる話は俺を呼びに来た衛兵によって遮られた。
「すいません、突然押しかけて」
「いえ。貴重な話ありがとう」
「いえ！では、また」
終わる頃にはだいぶ仲良くなった、と思う。
呼び捨てで呼ばれるくらいには。
なんてまぁ、挨拶をして部屋をでて、
「イザナ様からこれを」
受け取った黒い封筒をもって執務室に戻った。
事が起きたのは、たしか夕食時だったか…
バンッ！と開いた扉には、焦った様子のイザナの部下がいて
向かった先はゼンの部屋近くの資料室。
部屋からもれた煙がもくもくと廊下まで広がっていた。扉は開け放たれていて、そこから咳き込みながら出てくる人
「Aさん！」
「どれくらい倒れた？」
「室内にいた者はほとんど…どうしようかと」
バタバタと倒れていく姿に、兵士たちは右往左往、という様子。
というより、何をしていいのかわからない、という感じか
「聞け！」
ならば、やることを与えればいい
「2人一組で組んで怪我人を運べ、煙の届かない1階へ。ユウ、場所の確保に行け、広め、できれば風通しの良い部屋」
「はい！」
弾かれたように最近仲良くなった衛兵の1人が走っていくのを見て他も動き出す。
そこからはさすがと言えるほどスムーズで、煙が残る中、人はどんどん少なくなっていく。
「A」
「イザナ、お前こんなところに来ちゃダメだろう」
「何を今更…それより」
「植物系かな…そんな酷いものじゃない。しばらく痺れがあるかもしれないけど」
「……そうか」
「殿下！Aさん、怪我人運び終わりました」
「ありがとう」
報告に来た2人にイザナを任せると、俺は扉に目を向けた
ここからは、俺の仕事だ
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レイ(プロフ) - うさ丸さん» 更新遅くなってすみませんっ！コメントありがとうございます！なかなか続きをかけてないんですが、これは完結まで書きます！まだこういうふうに更新遅くなる日が続くと思いますがこれは書き続けたいと思っていますっ頑張りますっ！本当にありがとうございます！！ (2016年5月9日 7時) (
レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - え、消しちゃうんすか！？ (2016年5月2日 22時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - 続き気になるっすね！更新頑張ってくださいっす！ (2016年5月1日 21時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 御月刃さん» コメントもありがとうございます！自分なりにこれからも頑張ります！！ (2015年9月13日 8時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
御月刃(プロフ) - 続編おめでとうございます！頑張ってください！ (2015年9月12日 16時) (レス) id: 7136332561 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2015年9月9日 12時
