69話_ ページ25
馬を走らせて向かうココクの見張り台は湖のそばに建てられた塔。
近くで馬を止めて屋上へ向かう。
「コノエ、飛んできな。しばらくしたら戻ってこいよ」
まだ白雪達は着いていないようで、人影はない。ならば……
____ ___ __
「そろそろ表へ出ていましょうか」
ココクの見張り台。ポポの到着を待機部屋で待つ白雪は兵士の言葉に頷いた。
「子爵どの！」
先に出た兵の言葉通り、屋上にはブレッカ子爵の姿。
「私も見晴らしがいいほうが良いのでね」
ゆっくりと歩く子爵はそのまま白雪の元へ。
「白雪どの、私と取り引きをしよう」
「…は、い？」
「いや、君のことは噂でね。ろくな身分のない立場ではやりにくかろう。ゼン殿下だっていつまでも相手にはしておけまいよ
だから私が、友人も含め裏で君を支持してあげよう。その代わりこの考試を白紙に」
「鳥は来ます！」
キョトンとしていた白雪の表情が変わった。
力強く子爵をみる白雪に迷いはない。
「白紙になんてしてどうするんですか！」
「…っ、どうもこうもないわ！」
ブレッカ子爵の手が白雪に伸び、首から下げていた鈴を湖へと投げ捨てる
「待っ、」
懸命に伸ばす白雪の手をすり抜けて鈴が沈む
「！？」
次いで白雪が感じたのは腕を引っ張られる感覚と叩きつけられたような痛みだった。
「時間までこの中にいろ！」
子爵の言葉と閉じられた扉にやっと状況を理解した。
「子爵どの！何をなさいます！？」
「黙れ、一兵士の分際で意見する気か？」
言葉に詰まる兵士。
「ブレッカ子爵、開けてください！」
「うるさい！」
扉を叩く白雪に子爵がくってかかる。
「このまま、国に利益をもたらしたらどうなる！私は1年半も可能性に気づかずに、そこらに売りさばいていた大馬鹿ものか！？
冗談じゃない！」
絶句する2人をよそに、子爵の言葉は止まらない。
「いいか小娘、殿下に泣きついても無駄だ。本心はどうであれ、臣下や兵よりきさまを信じ、反感を買うような真似をするはずがない
悲しいがな、それが位の違いというものだ」
「…悲しくなんてない」
白雪は扉の外にいる子爵をじっとみるように立っていた。
「確かに、本心では動けない時があると思う。でもそれなら、
私は全力であの人をそんな目には遭わせない」
口を閉ざした子爵の様子を知るはずがないが、白雪は方向を変え、窓を開け放った。
「大体！何かを守ろうとしてる人の懸命さも目に入らないような地位なんて、この見張り台より低いっての！」
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レイ(プロフ) - うさ丸さん» 更新遅くなってすみませんっ！コメントありがとうございます！なかなか続きをかけてないんですが、これは完結まで書きます！まだこういうふうに更新遅くなる日が続くと思いますがこれは書き続けたいと思っていますっ頑張りますっ！本当にありがとうございます！！ (2016年5月9日 7時) (
レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - え、消しちゃうんすか！？ (2016年5月2日 22時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - 続き気になるっすね！更新頑張ってくださいっす！ (2016年5月1日 21時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 御月刃さん» コメントもありがとうございます！自分なりにこれからも頑張ります！！ (2015年9月13日 8時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
御月刃(プロフ) - 続編おめでとうございます！頑張ってください！ (2015年9月12日 16時) (レス) id: 7136332561 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2015年9月9日 12時
