61話_ ページ17
「おはよー、白雪」
「Aさん！おはようございます…こんな朝からどうしたんですか？」
「あはは…目が覚めちゃったから散歩」
と、いうことにしておく。
とことん階段と廊下を使わずにゼンの執務室にいってきたばかりだ。机の上にはストーカー(仮)から取り上げた筒に”確保完了”の紙が貼り付けて置いてある。
「相変わらず早起きなんですか？」
「まぁね…」
白雪には旅先であまり寝ないのを早起きだと思われてる。
「白雪は？なにしてるの？」
「薬草の様子をみに行こうと思って」
「じゃあ、ついていこうかな」
白雪の手にある荷物を取ると薬室園に向かって歩くと、あ、とつぶやいた白雪があとから歩いてくる。
「そうそう、ゼンから聞いてるかもしれないけど、白雪が関心の対象になるかもって」
「は、はい…」
横で白雪が緊張したのを感じながら、まっすぐ歩く。
「心配いらない。君は、君のやりたいことをやってくれ」
「え、それって…？」
「ゼンに頼まれててね。まぁ、関心が向かなくなるわけじゃないから気をつけておいた方がいいだろうけど」
とりあえず、変な気配はなくなると思う
そういうと、白雪が驚いたように俺を見た。
「あ、え…」
「気のせいかもって思ってた？ならそうしておいて」
心配がなくなったわけじゃないのは確かだ。
この子たちがこれからも頑張らなきゃいけないのも確かだ。
だからこそ、見守っていたい。
「心配してるのは俺だけじゃないから」
と、白雪の止まった足に合わせて立ち止まる。
ぽかんと口を開けて俺を見つめる白雪。
その口は何かを言おうとして結局閉じた。どんどんと下がっていく顔。凹ませるつもりはなかったんだけどなぁ…
「頼れるものがなくても、何度でも頑張れる」
それは、白雪の祖父母にあたる人達の言葉だ。
音が聞こえそうなほどの勢いで顔が上がる。
「俺も言われたことあるんだ。何度も救われた。……やっぱり、諦めなくてよかったよ」
「Aさん、て…」
「でもさ、白雪。ここに、白雪が頼れる奴はいないかい？」
その瞳を見つめ返すと、白雪はぶんぶんと頭を横に振った。
「良かった。白雪、言っても良いんだ。些細なことでも頼って良い。不安なことは吐き出して良い。頑張れるだけ頑張ったら、次はみんなで頑張ればいいさ」
「A、さん」
「誰もいなくなったりしないから」
白雪は覚えていないだろうけど、初めて会った時、この子は泣いていた。
次に会った時、この子は笑顔でいようと必死だったんだ。
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レイ(プロフ) - うさ丸さん» 更新遅くなってすみませんっ！コメントありがとうございます！なかなか続きをかけてないんですが、これは完結まで書きます！まだこういうふうに更新遅くなる日が続くと思いますがこれは書き続けたいと思っていますっ頑張りますっ！本当にありがとうございます！！ (2016年5月9日 7時) (
レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - え、消しちゃうんすか！？ (2016年5月2日 22時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
うさ丸 - 続き気になるっすね！更新頑張ってくださいっす！ (2016年5月1日 21時) (レス) id: 93ddfd5243 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 御月刃さん» コメントもありがとうございます！自分なりにこれからも頑張ります！！ (2015年9月13日 8時) (レス) id: af1a1b1ac0 (このIDを非表示/違反報告)
御月刃(プロフ) - 続編おめでとうございます！頑張ってください！ (2015年9月12日 16時) (レス) id: 7136332561 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2015年9月9日 12時
