【REBORN】雪は地に舞い落ちて。 (ページ3)

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高嶺の花ページ3

並盛中学において、笹川京子と同等に学校のマドンナと呼ばれる少女が居た。

小さな顔と高い鼻に二重の引かれた瞼、長い睫毛、どれを見ても整った顔立ちに。桃色に染まった薄い唇、綺麗なロングの黒髪は風に揺らされ、1本1本が綺麗に靡く。

誰もがその姿に見惚れてしまう程に、彼女は美しかった。

その上誰に対しても笑顔で接する姿は宛ら天使のよう。

彼女の名前を_

「"一ノ瀬 A "さん！！」

『あれ、杉崎くんだ。どうしたの？』

「あ、あの..良ければ一緒にお昼でもどう...かな？」

『あ〜、...ごめんね、私今日は友達と食べる約束しちゃってて...また今度でも良いかな？』

「は、はい！！」

「杉崎ずりーぞ。俺も！！」

「俺も！」

「うるせえ！黙ってろおまえら！」

ツ「今日も人気だなぁ...一ノ瀬さん。」

獄「朝からうるせえったら仕方ないっすよね」

ツ「まあね....」

けっと悪態をつく獄寺くん。
しかしこうなっても仕方ないとは思う、朝のホームルームから教室はいつもこんな感じだ。一ノ瀬さんの周りには良く人が群がる、彼女が転入してきた日からもう当たり前のようになっているけれど、...毎日朝からあんなに絡まれるのは大変そうだなと考えてしまう。

ツ「(皆も皆だよ...よくあんなに毎日できるよな)」

一ノ瀬さんが転入してきたのはつい先日、2年生になってすぐの事だった。家の都合でこの街に来たらしく、それも名門中学からの転校だそうだ。

ツ「(でもすごいよなぁ。..頭も良くて可愛いだなんて完璧だ。)」

純粋に尊敬してしまう。神様は平等とはよく言ったものだ。こんなにも差が違うのだから。

ツ「はあ...」

山「おっ、ツナ。ため息は幸せが逃げるぜ？」

獄「げっ、野球バカ」

ツ「うん..そうだよね」

「(..一ノ瀬さんを見てたらなんか幸せが飛んでいくような気がする..やめよう。)」

高嶺の花。彼女にはそんな言葉が相応しい。
こんな平凡な俺はきっと彼女と関わることは無いんだろうな、そう思っていた。