さよならの前に２【Juri.T】 (ページ8)

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幸せが逃げていくページ8

安井「えっ！！Aの机！？」

「すぐ直すから！」
そう言ってバタバタと散らばった机
に駆け寄っていく。

ﾊｧ…

軽く溜息が出た。

安井「…そういえば、」

机を直しながら安井が達也くんを見た。

安井「君、名前何ていうの？」

達也「はっ？」

安井「いや、だから名前だよ！な、ま、え！！」

最初は自己紹介でしょ！と、さも当たり前のような口調だけど……

ﾎﾞｿｯ
麻耶「あいつ、もう少しで達也と殴り合いしそうになってた事忘れてんじゃね？」

ﾎﾞｿｯ
聡「てか、さっきと全然雰囲気違うじゃん！」

ﾎﾞｿｯ
祥平「めっちゃ怖かった…」

ﾎﾞｿｯ
ユウキ「いや、祥平さんが怒らせたんだからね？」

……ハァ。

達也「…桜木達也。」

安井「オッケー！今日からよろしくな！達也！！」

そう言ってニカッと笑う安井。

…まったく

ﾎﾞｿｯ
「ごめんねー、達也くん。
悪いヤツじゃないから安心して。」

呆気に取られてる達也くんに
一応、変わりに謝っておく。

達也「いいって！まあ、ビックリしたけど、あれだろ？麻耶みたいなもんじゃん！！」

そう言って笑ってくれてるけど

……そんな事言っていいの？

背中にどす黒いオーラを感じるんだけど？

安井「えー！俺、麻耶くんに似てるんだ！」

それを知ってか知らずか能天気に
余計な事を言ってくる。

達也「おう！そっくりだぜ！」

なあ、聡？

そう言って振り向いた達也くんの目に映ったのは

どす黒いオーラを出しながら
聡やユウキ君たちに抑えられている麻耶くん。

達也「…麻耶……？」

安井「君が麻耶くんか！」

キラキラと顔を輝かせる安井と

「もうやめろ」というように凄い勢いで首を振っている聡と

やけにニコニコしてる麻耶くん。

ハァ

一体、今日何度目の溜息になるだろうか。

麻耶「達也ぁー、達也「ひっ！」結構好き勝手言ってくれてるけど」

ニコッ

麻耶「俺、ここまで小さくないから。」

あ、

私はこれから起こるだろう事に備えて、静かに教室を出た。