さよならの前に２【Juri.T】 (ページ14)

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胸騒ぎページ14

＿Asaid＿

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

文恵「はい。
……ええ、分かったわ。」

文恵「沙耶からよ。教室に戻ってきて、だって。」

せっかく静かになったんだから
もう少しここに居たいんだけど…

そんな気持ちを感じ取ったのか、

それとも違う意味なのか、

文恵は困ったような顔を向けた。

文恵「なんか、安井君がAはどこ？って騒いでるらしくて…」

「行こう。」

どうやら後者みたいだった。

ｶﾞﾗｯ

戻って教室のドアを開けると、

「わぁお」

さっきまでの喧騒が嘘のように教室が綺麗になっていた。

「もっと散らかってるかと思ったけど……、
全然大丈夫そうじゃん」

哲也「いや、」

いつもより少し声の低い哲也くん

「ちょっと、オーラ黒いの出てますよ」

普段クールな人が怒ると少し怖くなるよね

哲也「キレた麻耶は手に負えないし、誰かさんが居なかったから安井も止まんないしでこっちは大変だったんだよ。」

ほうほう。

なるほどねー。

そんなに大変だったんだ

教室の隅で祥平さん達がぐったりするくらい。

それには同情するけどね、

「勝手に謙太郎止める係にしないでほしいんだけど…。」

全くもって不本意なんですけど？

哲也「仕方ないだろ、実際そうだって今日嫌というくらい分かったんだからな。」

「はぁ。しょうがないねー。
実際そうだし。

…ところでさ、」

さっきから気になってたんだけど、

「あれ、何？」

さっきまでの騒ぎの張本人達が
何で仲良く掃除してるわけ？

「なに、あの2人。仲良くなったわけ？」

２人で掃除なんてねぇ。

哲也「あれは、ここの片付けさせてんだよ。自分で散らかしたものは自分で片付ける。当たり前の事だろ？」

そう言ってにっこり笑った。

おー、怖い怖い。

今後、怒らせないように気をつけなきゃねー。

「ってか、聡は？」

教室の何処にも見当たらない。

哲也「あいつ、急に早退するってさ。」

「早退？何かあったの？」

哲也「さっきまでは元気だったんだけどな。
安井と中庭行って、帰ってきたと思ったら何か落ち込んでる感じだった。」

……。

少しだけ胸騒ぎがする。

そんな焦りを隠す為に、ゆっくり謙太郎の所に向かう。

安井「あ、A！どこいってたのさー！」

「ちょっと来て。」

＿＿どうかこの胸騒ぎが当たりませんように。