好きになることKaito.T (ページ9)

今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:7,382 hit

9 ページ9

いつの間にか知らない男の子が私の隣にしゃがんでいた

「びっくりしたー、急に大きい声出さないでよ！」

「え、ごめんなさい」

顔も名前も知らない男の子に何故か怒られた

この人しゃがみこんで何してるの？

頭の中は疑問でいっぱいだった

「しゃがみこんで何してたの？」

私が心の中で思った事を男の子が口にした

「え、？」

「具合でも悪いの？」

あそっか

私の方がなにしてんのこの人って感じだよね

「あ、ちょっと頭痛くて、」

嘘か本当か分からなくなってきた仮病を知らない人にまで伝えた

その子は私の言葉を聞くなり慌てふためいた

「え！大丈夫!?おうちに帰った方がいいよ、送っていくよ？」

見ず知らずの人に対してこんなに優しくしてくれるんだ

きっと、

いや、絶対この人は優しい人なんだろうな

真っ黒だった私の気持ちはいつの間にか暖かい黄色に変わっていた

「家どこ？」

「あ、ここ。です」

すぐ後ろにある自分の家を指さすと男の子は急に立ち上がって

「ここかよ！」

盛大にツッコんだ