君の望む世界へ【トガヒミコ】 (ページ2)

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弱肉強食ページ2

父「天音！何でこんな簡単なこともできないんだ！」

母「そうよ！全く、イラついてるんだから話しかけないでちょうだい！」

『…ごめんなさい。』

ﾄﾞｺﾞｯﾎﾞｺﾞｯ

『(イラついてる時に話しかけたらダメなんだ…
機嫌が悪い時は怒らせないようにしないと…)』

僕はその日から人の顔色を伺って生きるようになった。イラつかせないように、
機嫌を損ねないように、
殴られないように、
人の顔色を伺わないと…
僕は子供ながら大人びていた。子供のくせに人の顔色を伺って、敬語を使って、本音を出さないようにして、我儘言わないようにして、…子供ながら分かっていたんだ。この個性社会は弱肉強食で、個性が無くても、無個性でも、見下され、蔑まれる。逆に強個性の人は、個性が強いってだけで勝手にヒーローを目指してると思われる。
…じゃあ、どうすれば生き残れる？どうすれば、普通に生きられる？…答えは簡単だ。人の顔色を伺って、誰とでも良い関係を気付けるように、媚び売って、偽って生きて行けば良い。

それがたとえ、自分の心を殺す原因になっても…

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時創天音 13歳

今日から中学生ですね。怒りっぽい方など、めんどくさそうな方が居なければ良いのですが…

えっと、僕のクラスは2組のようですね。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

僕はドアを開けて教室に入った。

ひそひそ

…何でしょう、僕のことを話してるみたいですね。

モブ「ねぇ！あの人カッコよくない！？」

モブ2「えっ、それな？マジうちらクラス運強くね？」

はぁ、そんなくだらないことですか、まぁ、印象は良い方が良さそうですし猫被りましょうかね…

『えっと、おはようございます。時創天音です。よろしくお願いしますね。』ﾆｺｯ

僕は内心めんどくさいと思いながら、前の席の女の子に話しかけた。

？「はい！よろしくお願いしますね！天音君！私は渡我被身子です！」

ﾄﾞｷｯ

？何でしょう？今心臓がﾄﾞｷｯっとなって…
まあ良いです。

『はい！改めてよろしくお願いします。渡我さん。』

渡我「…天音君、とっても苦しそうなのです。』

『ッ！！…いえ、そんな事ないですよ。』

渡我「じゃあ何で、そんなに嘘を付いているんですか？」

『……それは、』

先生「これから入学式だ。出席番号順に並べ」

そこで会話は途切れた。