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あの日あの子と紡いだ言葉を口にする。あの子ともう一度会うなんて思いもしなかった。
あの子の前から去る。涙はもう枯れて出てこなかった。
“好き”だったと伝えたかった。でも、もう遅いから。
家が近くてよく遊ぶ年下の女の子。小さい頃はよく俺に着いて回って俺の真似をしていたのを覚えている。
テスト前にはよく勉強の面倒を見ていてあの子の前で恥をかかないよう必死に勉強していた。あの子にかっこいい姿を見せたいからってサッカーも始めて。
そんな俺を見て素直にかっこいい、と伝えてくれるあの子が大好きだったんだ。
でも俺とあの子じゃ歳が離れすぎているから。どうしても離れなきゃいけなかったんだ。あの子から夢を奪うなんて絶対に駄目だ。
ごめんね。あの“さよなら”はきっと永遠になるだろう。だからもう、俺のことなんか忘れてくれ。
「好き、だった」
ゆっくりと左薬指の指輪を隠した。
続く
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作者名：ルオ | 作成日時：2023年12月18日 20時
