溶け始めた心【ヒロアカ】 (ページ4)

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五十一話ページ4

すぐに始まる二回戦

私もそろそろ行かないとな、と会場へと足を進めた

廊下の角を曲がった先ーーーーーー

そいつはいた

「…………邪魔だ」

「醜態ばかりだな、焦凍」

腕を組んで壁にもたれ掛かり、此方を睨み付けるクソ親父の姿に、胃から何かが込み上げる感覚を覚える

「左の"力"を使えば障害物競争も騎馬戦も圧倒出来た筈だろ」

うるさい

「良い加減子供染みた反抗をやめろ。お前にはーーオールマイトを越える義務があるんだぞ」

無視して前を通り過ぎる足音が、荒々しくなる

「わかっているのか？兄さんらとは違う。お前はーーーー

最高傑作なんだぞ！！」

歯を食い縛る
今すぐこいつを氷付けにして、粉々に砕いてしまいたい

「それしか言えないのかてめェは…

お母さんの力だけで勝ち上がる。戦いでてめェの力は使わない、絶対に」

「今のうちは通用したとして、すぐ限界が来るぞ」

すぐ目の前の入り口の眩しい光に目を細める

「爆豪、とか言ったか？」

静かに紡がれた名に、思わず足が止まる

「ーーーー良い個性だ」

この間の男も、アイツだろう？

ぶわり、と全身の肌と言う肌が逆立つ

「試合の前に、テメェを氷像にしてやろうか…？」

爆豪をそんな目で見るなんて許せない、絶対に

「ーーーー。まぁ、精々好き勝手出きる今を楽しむことだな」

珍しく愉快そうに目を細め、言いたい事は言ったとばかりに去っていくクソ親父の背中に、刃物を突き立てられたら、何れだけ幸せだろう

首をブンブンと振り、会場へと踏み出す
今は、目の前の事が第一だ

だけど、

いつか絶対、ぶっ殺す！！