溶け始めた心【ヒロアカ】 (ページ3)

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五十話ページ3

『色々やってきましたが！結局これだぜガチンコ勝負！頼れるのは己のみ！

一回戦！成績のわりになんだその顔！ヒーロー科！緑谷出久！

対

ごめんまだ活躍なし！普通科！心操人使！』

緑谷と心操が舞台に上がる

ルールは至ってシンプル、場外や行動不能、相手にまいったと言わせること

緑谷と心操が何か言葉を交わしているようだが、一人離れた場所で見物している私には聞こえない

1-Aの客席もあるが、騒がしくて集中が乱れそうだから、ここにいる

『レディィィイ！！！START！！！』

だが、開始そうそう二人は動かない

否、緑谷は瞬き一つしていなかった

『オイオイどうした大事な初戦だ盛り上げてくれよ！？緑谷開始早々ーーーー

完全停止！？』

マジか緑谷、早速個性に掛かってンじゃねぇかよ

まさか二回戦は心操が相手だなんて冗談がきつい

あんな大口叩いてたんだ、頑張ってくれよ…

ーーーーーー

あと一歩で緑谷が場外ーーーと言うところで、凄まじい爆風が起きた

思わず目を塞ぎ、次に開いた瞬間には

『ーーーーこれは、緑谷！とどまったぁぁ！！』

衝撃で個性が解かれたのだろう、指一本を犠牲にして正気に戻った緑谷の姿だった

「～～～～指動かすだけでそんな威力か羨ましいよ！」

恐らく心操の個性は、己の言葉に反応したものを操れる様な個性

だからか、緑谷が我慢ならなくて反論してしまうように、口を捲し立てる

「俺はこんな個性のおかげでスタートから遅れちまったよ。恵まれた人間にはわからないだろ」

恵まれた人間、か
そう一括りにされちゃ、こっちも堪ったもんじゃないんだよな

「お誂え向きの個性に生まれて！！

望む場所へ行ける奴らにはよ！！！」

緑谷が勢い付けて殴りかかる

「なんか言えよ！」

負けじと心操も殴り返す

暫く殴り合っていた二人だが

「お？」

最後の瞬間、どこかで見たような綺麗な緑谷の背負い投げが決まった

鈍い音を立てて、白い線の外へ叩き付けられる心操の体

『心操君場外！緑谷君、二回戦出場！』

やっぱり、私の相手はお前だよな

緑谷

自然と口元に笑みが浮かんだ