溶け始めた心【ヒロアカ】 (ページ18)

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六十五話ページ18

「貴様…何様のつもりだ？」

「あ"ぁ！？図星付かれてキレてんじゃねーよ！」

親父も爆豪も敵顔負けの顔で、相手を睨む
私から気が逸れたのか、手の力が緩んで地面に落とされる

「俺がどんな思いでコイツを作ったと…！！」

「自分の子供を作ったとか言うんじゃねえよ！アンタの事はヒーローとして尊敬してるけどなぁ、親としてのアンタは敵以下だよ！！」

親父の炎が勢いを増していく
人一人すぐに飲み込んでしまう程に膨らむ炎にも怯まずに、尚も噛み付く爆豪

いくら生徒だからって、そんなこと言えば、只じゃ済まない…！

「轟は、テメェの言いなりになるだけの玩具じゃねェんだよ！！」

「やめてくれ……」

「しっかり見て、聞いて、信じてやれよ、父親だろ！？」

「もういいから……」

「爆豪が、死んじまう…！」

親父の炎を纏った拳が、爆豪に振り落とされるーーーーー

気が付けば、体が動いていた

「やめろ…！」

爆豪の前に倒れ込む様に飛び出し、ちりちりと火花が散る拳が迫ってくるのを、目を瞑って耐えた

だけど、何時まで経っても痛みも熱も感じられない

恐る恐る目を見開けば、親父の体に白い布が巻き付いていた

「そこまでだ」

親父の炎が消され、次の瞬間に私と爆豪は布に絡め取られ、引き寄せられた

「相澤、先生…」

そこには、全身包帯だらけの相澤先生がいた

ーーーーーーーーー

「全く……何してるんだ。問題児コンビめ」

「すみません……」
「チッ…」

あの後駆け付けた相澤先生は、あろうことか親父に頭を下げ、何とかその場を納めてくれた

安堵したのも束の間、直ぐ様鬼の形相(包帯まみれ)で迫ってこられ、正座をさせられた

「あんなのに頭なんて下げなくても…」

「それも教師の勤めだ。お前たち生徒の為なら安いもんだ……」

せ、先生……！！

そんな感動も虚しく

「と、普通なら言いたいところだが…。はい、反省文五枚。連休明けに提出な」

怪我も見たところなさそうだし、さっさと教室戻れ、とだけ告げて遠くなる背中

それを呆然と見つめながら、爆豪の「はぁぁぁ！？！？」との叫び声を聞いた