溶け始めた心【ヒロアカ】 (ページ12)

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五十九話ページ12

ミッドナイトが用意してくれた布で体を隠し、フィールドから降りる

すぐに新しい体操服を用意してくれるらしく、大人しくそれを待つこととなった

客席からいつの間に移動したのか、薄暗い廊下に親父がいた

一回戦もこんな出待ちしてたよなコイツ、と思いながら、悪態をつく体力もないので、無言で横を通り過ぎようとした

「邪魔だ。とは言わんのか？」

余程左を使ったことが嬉しかったのか、類を見ないほど弾んだ声

「左の操作…ベタ踏みでまだまだ危なっかしいもんだが、子供染みた駄々を捨ててようやくお前は、完璧な俺の上位互換となった！

卒業後は俺の元へ来い！俺が覇道を歩ませてやる！」

そう言って差し出された左手を払う

「…捨てられるわけねぇだろ
そんな簡単に覆るわけない

ただ…、あの時一瞬は、お前を忘れた

それが良いのか悪いのか、正しいことなのか…少し、考える…」

言葉を飲み込んだ親父を横目に

重い足取りで、その場を後にした

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届けて貰った体操服に着替え、客席から見えるモニターには、飯田と常闇が勝ち抜いていると表示されていた

私の次の相手は……飯田

フィールドを見下ろせば、爆豪と切島の姿

この勝負で勝ち残った方が、ベスト4へと進出となり、私の相手となる

フィールドに目線を落とせば、爆豪が少々押され気味らしい

硬化の個性の切島に爆豪の爆破は相性が悪く苦戦していたのが見て取れたが、そこは流石と言ったところか

数打ちゃ当たる戦法で、綻びた硬化の隙から攻撃を当てまくる

『爆豪、エゲツない絨毯爆破で三回戦進出！！

これでベスト4が出揃った！！』