三十三話 ページ35
電車を乗り継いで、最寄りの駅で降りる
改札を抜けて、向こう側にいる爆豪に手を振る
相変わらず返事は帰ってこなかったけれど、乗ってきた方とは反対側の電車に乗ったと言うことは、わざわざ送ってきてくれた、と捉えても良いのだろうか
すっかり暗くなって街灯に照らされる夜道を歩きながら、右手を見詰める
今はすっかり元の体温に戻ってしまったが、確かにまだ、爆豪の温もりを感じる気がする
夢の中にいるようなふわふわとした足取りで、家の門を潜った
「お姉ちゃん…？」
扉の前で居心地の悪そうな顔でしゃがみ込む姉の姿
「焦凍…！」
あ、と焦ったように口を塞ぎながら、私の肩を掴み、声を潜めて口早に言う
「焦凍、あのね、今お父さんが帰ってきてるんだけど、凄く機嫌が悪くて…それも最近の比にならないくらいに…」
だから、今日は…と続ける姉の声は、乱暴に開かれた扉の音に遮られた
ヒーローとして活動していない時は、比較的火も纏わず、ただ強面なだけのクソ親父が、眉に皺を刻み、吐く息からも熱を感じられた
ーーーー相当キレてやがる
「焦凍……」
「…んだよ」
ガタガタと震える姉の肩を抱きながら、鋭い眼光を睨み返す
「来い」
ただそれだけ言うと、クソ親父は抗えない程の力で私の腕を引く
思わず握り潰されてしまう恐怖に顔が歪む
「や、やめて、お父さん…っ」
慌てて家の中に入ってきたお姉ちゃんがお父さんを止めるが、まるで相手にせず
私はそのまま、家の奥の道場に連れていかれた
ーーーーーーーー
道場に足を踏み入れるなり、壁に叩き付けられる
「っ、たぁ……」
壁伝いに立ち上がり、威圧感で肌がぴりぴり震える
「焦凍…、言っただろう
他の奴等とお前は違うと。なのにお前は、何処の馬の骨とも知れぬ奴と…
何処の誰だ、言え、焦凍。今なら半殺しで済ませてやろう」
「は…？」
馬の骨？一体何のことだ、と眉を寄せる
「雄英のヒーロー科なのはわかっている。金髪の男、お前が言わずとも調べればすぐにわかるだろう」
その口振りに、先ほどの事を思い出す
「まさか、見てたのか…！
彼奴とはそんなんじゃない！」
ふん、と鼻を鳴らす
「どう言う関係かではない。何度も言っているだろう、お前は特別なんだ！！
他と関わるな！！"それ"はお前には必要ない！！」
言うや否や、炎を纏う親父
「もう一度身体に叩き込んでやる。二度と反抗など出来ないように」
喉が鳴る
まだ夜は、明けない
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桜 - 梅雨ちゃんは蛙吹です！ (2018年12月5日 21時) (
レス) id: 99fd013ac7 (このIDを非表示/違反報告)
ジェラ(プロフ) - ルーチェさん» ありがとうございます！！私もその二人大好きです…＼(^o^)／元気百倍、頑張ります！ (2018年9月15日 14時) (レス) id: f118146944 (このIDを非表示/違反報告)
ルーチェ - 続きが気になって仕方ないです！轟ちゃんとかっちゃんの絡みが好きすぎてにやけます(^q^)←更新頑張ってください！応援してます！o(･ω･´o)(o｀･ω･)o (2018年9月13日 22時) (レス) id: d308f73366 (このIDを非表示/違反報告)
とまと。 - こ、こんなにも評価が一回しか押せないことを恨んだことはない！更新される度に評価ボタン押してます笑 体育祭めっちゃ楽しみです！ (2018年9月7日 21時) (レス) id: 9caa233366 (このIDを非表示/違反報告)
ジェラ(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます！！正直最初の轟って誰とも絡んで無さすぎて困ってます( ；∀；)主人公ェ…。 (2018年9月4日 16時) (レス) id: f118146944 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジェラ | 作成日時：2018年8月31日 22時
