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『んぅ…』



目覚めるとそこには白いカーテンと天井。



『あれ、私…』



自分が何故ここ居るのか分からない。

確か、朝起きて寝不足でフラフラしてて…



『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』


「榎本、うるさいんだけど」


『ころん先生、ご迷惑をおかけ致しました!』



カーテンの隙間からひょっこり顔を覗かせた先生にそう謝ると、大丈夫、なんて返されてしまった。



『さぞかし重かったでしょうに…』


「いや、逆に軽くてビックリしたんだけど…何その言葉遣い」


『え、わかりません』


「わからんのかい」



間隔をあけず、そうツッコミを入れられる。



「で…なんで倒れたの?」


『多分、寝不足で…』


「寝不足ぅ?どうして?」


『えぇっと…』



さすがに本人の前で「キスが忘れられなくて」なんて言えるわけがなく、口ごもってしまう。



「ふぅん…まぁ、なんでもいいけどな」


『本当にすみません…』


「いや、別に僕はいいんだけどさ。でも、受験生なんだから体調管理はしっかりしないとだめだよ?」


『はい…』



そういった時、ドアがガラッと開かれた。



「A!大丈夫!?」


『るぅとくん…心配かけてごめんね』


「無事でよかった…」



彼はそう言うと抱きついてきた。



『大袈裟だよ』


「すみません…でも安心したんです」



彼はもう一度強くぎゅっと抱きしめてから離してくれた。



「バッグ持ってきたから一緒に帰りましょ」


『わざわざありがと。るぅとくん、他に帰る人いないの?』


「んー…でも、僕はAと帰りたいんです」



冗談なのか本気なのか分からなくて少し戸惑ってしまう。



「…僕、邪魔そうだし帰るね」


『あ、ちょ、先生…』


「早く帰ってね」



呼び止める暇もなく、先生は保健室から出ていってしまった。



「僕達も帰りましょ」



そう言うるぅとくんに軽く頷くものの、頭の中はころん先生でいっぱいになっていた。

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設定タグ:すとぷり , ころん , 先生   
作品ジャンル:恋愛
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千景(プロフ) - ゆゆさん» ありがとうございます…曲自体が素敵な歌なので、雰囲気壊しそうで怖いですが、頑張ります!(私自身、ゆゆさんの作品を幾つか拝見させて頂いているので、コメント来た時にすごく驚きました(笑)本当にありがとうございます。) (2020年1月25日 20時) (レス) id: 0f5cbdbd1f (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - おおおお……曲の雰囲気を壊さずに世界観をぐわーっと広げていてとっても読みやすいです。私の求めていた作品見つけられた気がしてます笑 更新頑張ってください〜! (2020年1月25日 10時) (レス) id: 1ae9e757ea (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - 千景さん» いえいえ、!これからも応援してます…! (2020年1月20日 19時) (レス) id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)
千景(プロフ) - RIKOさん» そう言って頂けて嬉しいです…!!ありがとうございます。 (2020年1月20日 17時) (レス) id: 0f5cbdbd1f (このIDを非表示/違反報告)
RIKO(プロフ) - はじめまして!この作品凄く好きです!!更新頑張って下さい! (2020年1月19日 18時) (レス) id: 2f1eb9db7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千景 | 作成日時:2020年1月14日 9時

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