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第29話~ころんside~ ページ31

読み終えた時、窓からは夕日が差し込んでいた。

こ「ねぇ…みな…ずっとずっと僕のこと見ててくれたんだね…」

『……』

こ「ありがと…」

好き、そう呟く。
しかし、返事が聞こえてくることも無く、独り言は空中に飽和した。

こ「今度はちゃんと僕から伝えるから…起きてよ」

頬に涙が伝う。
その涙を拭って、みなをもう1度見つめてみる。

「ばいばい、また明日」そう言って、僕は病室を後にした。

帰り道は真っ直ぐに家に帰る気にもなれなかった。
かと言って、どこかに行くのは単純に面倒くさい。

こ「…るぅとくんの家にでも行くか」

るぅとくんの家は僕の家の前にあるので、帰り道によればいい。色々と聞きたいこともあるし…

るぅとくんはチャイムを鳴らすと面倒くさそうにしながらもきちんと玄関まで迎えに来てくれた。

る「なんなんですか」

こ「いや、暇だから…と話したいこともあったし」

る「えぇ…」

こ「お邪魔しまーす」

る「あ、ちょっ」

慌てているるぅとくんを横目に勝手にるぅとくんの部屋へ向かう。
部屋に入るとクッションを投げつけられた。

こ「ぶへっ…おまっ」

る「で、話ってなんですか?」

今のことを無かったことにしているのは今はほっとく。

こ「みなのこと…」

る「…」

こ「るぅとくん、みなに告白したの?」

る「…しましたよ」

振られましたけど、とぶっきらぼうに言い放つ。

る「まぁ、別に叶うことなんてないとわかってたのでどうでもいいですけど」

こ「…」

る「で、ころちゃんはいつ告白するんですか?」

こ「ごめん」

る「は?謝んないで下さい」

るぅとくんは怒った口調でそう言い、顔を背けた。

こ「僕のせいで遠慮してたよね」

る「はぁ?だから大丈夫ですって」

こ「大丈夫じゃないだろ!」

思わず、大声でそう叫んでしまった。

こ「るぅとくんだって…僕と同じ高校生で…なのに…いっぱい我慢して…」

る「だからバレたくなかったんですよ…」

振り向いたるぅとくんは何故か泣いていた。

る「僕だってみなに振り向いて欲しかった。でも、それ以上にころちゃんもみなのことも大切なんです。」

泣きながらそう訴える、るぅとくん。

る「だから!絶対ころちゃんがみなを振り向かせてください!!」

泣き笑いの顔でそう言われた。

こ「うん…」

ありがと、と言うと「別にころちゃんの為じゃないですから」と言われた。
そのままるぅとくんの家に泊まることにする。

その日の夜、病院から電話がかかってきた。

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設定タグ:すとぷり , ころん , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
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rinuaimi(プロフ) - 初めまして。すごくいいお話でした!涙がかれて頬がかぴかぴになりました!たくさんの小説を読んできましたがここまで泣いたのははじめてです!これからもたくさん読み直してたくさん泣きたいと思います!((?  これからもう頑張ってください!応援しています! (2022年4月24日 0時) (レス) id: d7637fcd3d (このIDを非表示/違反報告)
千景(プロフ) - panndaさん» ありがとうございます…!まさか、泣いてくださるなんて…勿体ないお言葉です…更新頑張らせて頂きます! (2019年12月11日 19時) (レス) id: 0f5cbdbd1f (このIDを非表示/違反報告)
pannda - あの、、、、あの、、、、只今号泣中でございます(´;ω;`)ウッ…作者さん神ですよ、、、、これからも応援してます!!違う作品も更新がんばです!!! (2019年12月11日 16時) (レス) id: 92d4070df6 (このIDを非表示/違反報告)
千景(プロフ) - 恋花レンカさん» え、そうなんですか!?凄いですね…嬉しいお言葉ありがとうございます! (2019年12月7日 15時) (レス) id: 0f5cbdbd1f (このIDを非表示/違反報告)
恋花レンカ - 主人公が倒れた6/19...私の誕生日だ☆なんという奇跡!すごく感動しました。涙が止まりませんでした。これからも応援してます! (2019年12月2日 18時) (レス) id: 8916eccc14 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千景 | 作成日時:2019年6月8日 17時

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