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第27話~ころんside~ ページ29

昨日の電話を受けて、翌日の放課後、僕は急いで病院へ向かった。

「みなが倒れて、意識不明」

なーくんからその知らせを受けた時、頭が真っ白になった。

僕のせい?僕が悪いの?
そうだったら、謝りたい。

そんな思いを抱き、病室のドアを開ける。

さ「ころん…」

こ「さとみくん…」

そこには何故か私服のさとみくんがいた。

こ「なんで私服…」

さ「…ああ、学校休んだから」

そう言ってベッドの横の椅子に腰掛けた。

こ「…そうだ、みな!!」

急いでみなの方を見たが、みなは何の変哲もなく、ただ眠っているだけに見えた。
その姿に安心し、さとみくんに話しかけてみる。

こ「みなが倒れたって本当?」

さ「…おう」

さとみくんは俯きがちに話し始めた。

さ「昨日のこと、覚えてるか?」

こ「…ん」

さ「あれ、俺振られたんだ。」

こ「え?」

そう言ったさとみくんは切なそうに笑ってみせた。

さ「振られるってことは分かってたけど…いざ本当に振られると…キツイもんだな」

こ「……」

さ「それで、みなが誤解を解こうところんを追いかけようとして…俺の目の前でバタンって倒れた」

近くに居たのに…と悔しそうに呟いている。

こ「えっと…」

さ「っ…とこんなんやってたらダサイって笑われるな」

そう言うと、さとみくんは立ち上がった。

さ「俺、今日はもう帰る」

こ「ちょ…待てよ!!」

そう声をかけたが、さとみくんは立ち止まることなく、去ってしまった。

こ「なんだよ、あいつ…」

さとみくんの態度に少し疑問をいだいたが、みなの方が今は気になった。

こ「みなー?」

『……』

こ「起きてるー?…わけないか」

小さい希望を抱いて話しかけても、勿論みなは起きることがない。

こ「あの時さ…なに言おうとしてたの?」

『……』

こ「僕ね…もしかしてみなが好きって言うのかって思ったんだ。違うかもだけど…」

『………』

こ「なんでもいいから…いっそ嫌いでもいいから…目、覚まして」

『………』

こ「…はぁ」

返事がかえってこない独り言は虚しく、こっちが参ってしまいそうだ。

こ「また明日も来るね」

そう言い、その日は病院を後にした。

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設定タグ:すとぷり , ころん , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
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rinuaimi(プロフ) - 初めまして。すごくいいお話でした!涙がかれて頬がかぴかぴになりました!たくさんの小説を読んできましたがここまで泣いたのははじめてです!これからもたくさん読み直してたくさん泣きたいと思います!((?  これからもう頑張ってください!応援しています! (2022年4月24日 0時) (レス) id: d7637fcd3d (このIDを非表示/違反報告)
千景(プロフ) - panndaさん» ありがとうございます…!まさか、泣いてくださるなんて…勿体ないお言葉です…更新頑張らせて頂きます! (2019年12月11日 19時) (レス) id: 0f5cbdbd1f (このIDを非表示/違反報告)
pannda - あの、、、、あの、、、、只今号泣中でございます(´;ω;`)ウッ…作者さん神ですよ、、、、これからも応援してます!!違う作品も更新がんばです!!! (2019年12月11日 16時) (レス) id: 92d4070df6 (このIDを非表示/違反報告)
千景(プロフ) - 恋花レンカさん» え、そうなんですか!?凄いですね…嬉しいお言葉ありがとうございます! (2019年12月7日 15時) (レス) id: 0f5cbdbd1f (このIDを非表示/違反報告)
恋花レンカ - 主人公が倒れた6/19...私の誕生日だ☆なんという奇跡!すごく感動しました。涙が止まりませんでした。これからも応援してます! (2019年12月2日 18時) (レス) id: 8916eccc14 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千景 | 作成日時:2019年6月8日 17時

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