第22話 ページ24
る「僕、みなと観覧車乗っていいですか?」
並んでいる時、るぅとくんにそう言われた。
『勿論!』
そう笑顔で返事をすると、るぅとくんは安心したように笑った。
な「……みな」
『うん?』
な「頑張ってね」
『なにが?』
な「さあ?」
なーくんに意味不明なことを言われ、頭を悩ませていると、順番になったようだ。
スタッフさんにドアを閉められる。
私とるぅとくんは向かい合わせで座った。
る「みな、今日は楽しかったですか?」
『うん!すっごく楽しかった!!』
る「ころちゃんと沢山話してましたよね?w」
『…まあね……って、からかわないで!』
るぅとくんの方を見ると、相変わらず笑っている。
ため息をつくと、るぅとくんは少し困った様な顔をした。
る「僕、ずっところちゃんが羨ましかったんです」
『…なんで?』
る「明るくて、かっこよくて、夢に向かって真っ直ぐで、あの事故の時だってみなの近くにいて守ることができて……」
『るぅとくんだって、頼りになるし、ころちゃんより大人びてるし、優しいし…』
でも、と彼は続ける。
る「ころちゃんは僕にはどうしても手に入らないものを持ってるんです。」
『………』
る「だから、僕はころちゃんが羨ましかった。僕が努力したって、頑張ったって、僕の気持ちはその子に届かないんですから。」
『…るぅとくん、好きな子いるんだっけ…?』
そう聞くと、彼ははい、と切なそうに笑った。
る「絶対、報われることがないんです、この恋は。だから…でも…伝えたいんです。僕が好きだってこと。 ねぇ、みな…みなは好きでもない人に好きって言われるの迷惑ですか?」
『ううん、迷惑なんかじゃない。嬉しいよ。』
そう答えると、彼は安心したように笑ったあと、1つため息をつき、私の目を真っ直ぐに見つめた。
る「僕、小さい頃からみなが好きでした」
『……え?』
る「みながころちゃんのこと好きなのも全部全部知っています。でも…せめて、この観覧車が地上に着くまで僕の彼女で居てください。」
そういうや否や、るぅとくんは私を抱きしめた。
『るぅとくん…』
私の肩に生温い水滴が垂れる。
私は拒むことも出来ずにただ呆然と抱かれていた。
知らなかった。るぅとくんが私を好きだなんて。
なら、今まで彼にしてきた恋の相談は彼をどれだけ傷つけていたのだろう。
『ごめん…』
そう言うと、謝らないで下さい、と言われる。
観覧車が地上に着くまであと…
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rinuaimi(プロフ) - 初めまして。すごくいいお話でした!涙がかれて頬がかぴかぴになりました!たくさんの小説を読んできましたがここまで泣いたのははじめてです!これからもたくさん読み直してたくさん泣きたいと思います!((? これからもう頑張ってください!応援しています! (2022年4月24日 0時) (レス) id: d7637fcd3d (このIDを非表示/違反報告)
千景(プロフ) - panndaさん» ありがとうございます…!まさか、泣いてくださるなんて…勿体ないお言葉です…更新頑張らせて頂きます! (2019年12月11日 19時) (レス) id: 0f5cbdbd1f (このIDを非表示/違反報告)
pannda - あの、、、、あの、、、、只今号泣中でございます(´;ω;`)ウッ…作者さん神ですよ、、、、これからも応援してます!!違う作品も更新がんばです!!! (2019年12月11日 16時) (レス) id: 92d4070df6 (このIDを非表示/違反報告)
千景(プロフ) - 恋花レンカさん» え、そうなんですか!?凄いですね…嬉しいお言葉ありがとうございます! (2019年12月7日 15時) (レス) id: 0f5cbdbd1f (このIDを非表示/違反報告)
恋花レンカ - 主人公が倒れた6/19...私の誕生日だ☆なんという奇跡!すごく感動しました。涙が止まりませんでした。これからも応援してます! (2019年12月2日 18時) (レス) id: 8916eccc14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千景 | 作成日時:2019年6月8日 17時