17 . 咳 ページ17
...。
軽く足を組み、じっとパソコンの画面を見つめる。
右手には、箸を握りパソコン前のスペースには惣菜やら空のペットボトルやらが無造作にも置かれていた。
冷えきった卵焼きを口に運ぶ、その視線の先にはキヨくんのチャンネルが映っていた。
キヨくんが俺の家に来てから2週間くらい経ったのだろうか。
キヨくんはそれ以降実況の更新は勿論連絡もない。
その理由はこの前聞いた通り、引越しという事なのだが...。
2週間前、引越し準備がどの段階まで進んでいたのかは分からないが、あの様子だと場所や物件も決まっているような素振りだった。
あのキヨくんとは言えど、ストックを残していても可笑しくない状況ではあったのだが最終更新は2週間前で止まってしまっている。
【『The end.』あなたは愛する人の為に命を懸けれますか?#12最終回】
その表示を見て俺は軽く目を伏せた。
何も知らない状態で見れば違和感を感じないようなタイトルも、何故か俺の嫌な予感を掻き立てた。
いや、待てよ。俺なんでこんなにキヨくんのこと心配になってるんだろ。
キヨくんは、あんなにも幸せそうだったじゃないか。
それに、2人の仲を考えれば引越しも特に可笑しいことでもないだろう。
...そうだよね。
俺は不安からマッピングのように繋がっていく嫌な予感を一つ一つ契って脳内から閉め出した。
ふと視線をパソコンの下に下げると黒い容器に取り残された冷えきったご飯。
早く食べなきゃな。
なんだか温めるのも億劫で、容器に引っ付いたご飯を箸に力を入れて取り口まで運ぶ。
冷えきって固くなっているからか執拗に喉にくっ付きつつごろごろとご飯の塊が喉を転がった。
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ
食事をしていれば突然机に置いてあったスマホが激しくバイブ音を鳴らし始めたため思わず咳き込む。
お茶を飲んでご飯を食道に流し込み、携帯を手に取る。
通知相手を見れば、俺は応答ボタンを押しスマホを耳に当てた。
レ「もしもし」
突然電話も珍しいなとぼんやり考えていれば、電話口の相手の様子がどうやらおかしい。
俺ののんびりとした声とは反して相手は切羽詰まった声で喋り出した。
「レトルト、今すぐテレビ見ろ」
様子がいつもと違う、と分かった時点で「なんで？」とは聞けず俺は言われるまま後ろに置いてあったテレビの電源をつけた。
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もちすけ(プロフ) - あぷるさん» 私情の為返信遅れてしまい申し訳ございません;;コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！前回のお話の後日談とかも沿って書いていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします...！！ (2021年7月2日 19時) (
レス) id: 8be7e3d78d (このIDを非表示/違反報告)
あぷる - すごく好きです（語彙力）感動したお話をさらに別視点で見れて感動が更に深まりました。更新がんばってください (2021年6月26日 21時) (レス) id: 9ae6da1d4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちすけ | 作成日時：2021年6月12日 22時
