15 . 誰 ページ15
後ちょっとだけと、キヨくんがそう言ってから早くも1時間の時が経ってしまっていた。
何故キヨくんが俺の家に居たがるのか、それが俺には分からなかった。
この前の様子でキヨくんのAさんへの愛情は雰囲気からひしひしと伝わってきている。
そんなキヨくんが帰りたがらないと言うことは...。
_喧嘩か？
すぐに俺はそんな1つの結論に至った。
この理由ならキヨくんの行動も理解出来る。
今考えてみれば、今日キヨくんの口からAさんの名前は1度も出てこなかった様な気がするのだ。
だが、もしそうだとして何故キヨくんは普段のように元気に振る舞えているのだろうか。
ただ、心配させないようにと元気に振舞っているとも取れるがそれにしては余りに自然すぎる気がしたのだ。
キ｢そろそろ帰らないと、ね｣
俺が黙り込んでいるのに気づいたのか、そんなことを呟けばコントローラーを床に置いたキヨくん。
相手は、ゲームカセットをハードから抜き出しつつ「あー楽しかった」なんて大きい独り言を喋っている。
レ「...キヨくん」
レ｢Aさんとなんかあった?｣
じっと目を見据えれば軽く瞳孔を揺らがせた相手。
キ｢いいや、Aとは仲良くやってるよ｣
レ｢じゃあ、何でそんなに…｣
その後の言葉は敢えて言わなかった。
否、言えなかったという方が近いかもしれない。
言葉に出した所で更に相手を追い詰めてしまうかもしれないと予想が着いてしまったからだ。
キ｢…会えないのが寂しい…から?｣
俺は、思っていたことの180度違う回答が帰ってきた事によりぽかんと開いた口がなかなか閉まらなかった。
キヨくんの方も、自分が出した答えに納得がいかなかったのか少し眉を下げて頭を掻いている。
レ｢…俺と?｣
そういうことを改めて言うのが、キヨくんらしくなくて戸惑い気味に自分を指さして軽く首を傾げた。
すると、今更恥ずかしくなったのか袖で顔を隠し慌てて顔を逸らしたキヨくん。
つまり、これはYesって事だよな...。
本当に何があったんだろう。
素直すぎることへの気持ち悪さを通り越して何故かこちらまでも恥ずかしくなってくる。
俺は、そのなんとも言えぬ気持ちが催した笑いが一気に喉に溢れ出し大きくぶっ、と吹き出した。
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もちすけ(プロフ) - あぷるさん» 私情の為返信遅れてしまい申し訳ございません;;コメントありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！前回のお話の後日談とかも沿って書いていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします...！！ (2021年7月2日 19時) (
レス) id: 8be7e3d78d (このIDを非表示/違反報告)
あぷる - すごく好きです（語彙力）感動したお話をさらに別視点で見れて感動が更に深まりました。更新がんばってください (2021年6月26日 21時) (レス) id: 9ae6da1d4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちすけ | 作成日時：2021年6月12日 22時
