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補習はだるいが、空調の効いた教室は涼しくて快適だ。
補修をさっさと終わらせると外を見た
「あっ」
制服姿の虎無さんが校庭を突っ切ってくるのが見えた
勉強しにきたのか、学校指定のカバンとサブの鞄を持って姿が見えなくなった
チャイムが鳴ると同時に補修終わりと先生がいいにきて帰り支度をゆるゆると始める
次回は来週で8時から12時までか
だるいなぁ
少ない何人かが遊ぼうぜ!と走って廊下を去っていく
先生の「廊下走るなー」の声が聞こえる。
俺も帰るか、と荷物を背負う。
『あれ？ゾム君奇遇だね』
邪魔するで〜と隣の席に座る虎無にビクッ、と背を伸ばすとそんなにびっくりしないでよとくすくす笑う虎無さん。
「こ、虎無さんも補修、？」
『んーん、課題をしにきたの。ついでに大学受験の資料取りにきた』
参考書ももらって荷物大変だよーと少しも大変だと思ってなさそうな声で答える
高校に入ってすぐの夏休み。既に行く大学を見定めて勉強をする彼女はすごいと思った
『ゾム君は補修終わり?』
「お、おん。友達が部活終わるの待ってんねん」
『へぇ〜ゾム君意外と友達多いね』
意外にってなんやねんと返すと虎無さんはきょとん、としつつニコッと笑った
『ごめんごめん、クラスでよく1人なの見るからさ』
それにAでいいよ
そう笑う彼女と世間話してると大先生が「じゃますんでー」と教室にくる。
「邪魔するなら帰ってやー」
「あいよー、ってちゃいますやん!」
いつものやりとりにくすくす笑う虎無さんが新鮮でつい見てしまった
『鬱木さんって意外と面白いんですね』
「あっ、Aちゃんおったんか！意外やなぁ、補修なんて」
『いえ、自主勉強に来ただけですよ』
「はえぇー」
ゾム君迎えに来たんでしょう?と虎無さんが笑うとせやった、と大先生がいこかと話しかけた。
教室にいると寒いが外に出ると暑い。
隣を歩いていた大先生がぽつりとふと、「やっぱ食えんわぁ、、」と呟く
「ああいう子ほど裏になんかあるんよなぁ」
「なんの話や」
「Aちゃんのことや」
「あの子意外と色々やってそうやで
たとえば
とかな」
ふと、病院のことを思い出した
「あ、お、脅かすなや」
声が震える。そんな俺に大先生は怖がらせてしまったと勘違いしたのか笑いながら冗談やんと笑う
「実際そんなことをしてたら少年院入りやんw」
せやな、と言えなかった
大先生はあれを見たらどう思うんだろうか
やっぱりと思うんやろうか
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作者名：クロエ | 作成日時：2023年1月25日 17時
