time sharing house～日常茶飯事～ (ページ21)

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　制服を脱ぎ、Ｔシャツにスウェットなんて楽な格好に着替えて。
鞄の中から今日渡された成績表を持ち、部屋を出る・・・・・・前に。

　「涼介・・・」

　つん、と引かれるＴシャツの裾。
振り返ればなにか言い難そうに口を開きかけては俯いてしまう侑李。
なにを言われなくてもなにを望んでいるのか分かる俺は、そっと侑李に腕を伸ばす。

　ほんとうは、素直に言ってほしいところだけど。

　伸ばした腕で、同じくらい小柄だけど俺よりだいぶ華奢な侑李を抱き締める。
すぐに侑李の腕は俺の背へと回り、ぎゅっと力を込めてきた。
胸に顔を埋めて来るから、俺はその艶やかな黒髪に鼻先を埋める。

　暫くそうしていると満足したのか、侑李の腕から力が抜けたから。
俺もゆっくり身体を離すと、上目遣いで見上げてきた侑李の額にくちびるを落とす。

　「降りようか」

　「うん」

　行こう、って手を差し伸べれば。
にっこり笑った侑李が重ねてきた手を握り、そのまま１階へと降りた。