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「はっ!?」
「ね、一緒に寝よ?」
僕もう眠いの、と閉じそうになる瞼を必死に開けている様子の知念。
萌え袖――手なんて完全出てない――状態で目元を擦り、ふあとあくびを零す。
うん、だいぶ眠そうだね。
でもここで寝るつもりなの?
知念もちゃんと自分の部屋用意されてるでしょ。
「僕歩けないもん」
「あー・・・じゃあ俺がちぃの部屋使うよ?」
鍵貸してって言っても、いやいや首を振られる。
気持ち悪くなっちゃうからと止めれば、うるうるに潤んだ上目遣いで見つめられて。
どくん、と大きく心臓が脈打った。
「りょーすけ僕と一緒に寝るの、いやなの?」
「嫌とか嫌じゃない、とかいう問題じゃなくて」
「・・・いやなんだ」
「だからっ」
そういう問題じゃないんだよ。
そりゃ昔は一緒に寝てたこともあるけど、いまは不味い。
俺が胸に秘めている知念への想いとかもそうだけど、いまの知念と長く一緒に居ると肉欲的な・・・
とにかく、狭いシングルベッドでふたり寝るとか無理だから。
絶対無理、とどうにか知念を説得しようとしても相手は酔っ払い。
俺の言い分はきちんと理解してくれないし、仕舞いにはぽろり涙が流れて。
ああもう、俺にどうしろっていうんだ。
「りょーすけのばか」
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作者名:晶 | 作成日時:2022年9月5日 21時