# a scene (ページ40)

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#構って期（ar）※ar+hk+in ページ40

　暑いし疲れた、とその場にへたり込んだ。
休憩、という声が聞こえたのと同時、俺と同じようになっているのが数人。

　いや、でもそうなるよね。
１時間近く踊りっぱなしだったんだから。

　そんな中、ひとりモニターの前に立つひか。
遅れた分を取り戻したいって、誰よりも真剣にふりを入れるのに集中していたけど。

　休憩するときはしないと体力保たないよ、と言ってあげたい。
頑張り過ぎるきらいがあるところは知っているけど、あの人自分が病み上がりだっていう自覚ないみたいだから。

　いつもなら真っ先に注意しに行きそうなうちの最年長は―――あ、あんなところでバテてるわ。
ぐてーって大の字で床に寝そべって。

　俺以外にも気遣わしそうにその姿を見ているメンバーはいるものの。
追い付きたいって気持ちも分からなくないからって、言うに言えないんだよね。

　ひかに遠慮なくもの言えるのって、限られてるからさ。
こういうときこそ最年長の出番でしょって思うのに。

　こうなりゃ仕方がない。
もうひとり、言ってくれそうな人物はどこにも見当たらないし。
ここは俺が行くしかないでしょ、と重い腰を上げようとすれば。

　ひかの背後に、静かに忍び寄る影。
そろそろ近付いて、ぴたりその背に張り付いたと思えば。

　「冷たっ！？」

　背から抱き付く形で、ひかのお腹に手を回したちゃん。
びくりと肩を跳ね上げたひかは、何事と振り返ろうとするもできなかった。

　・・・うん、振り返らなくて正解だったと思うよ。
ちゃん、ひかの肩に顎乗せてるからさ。
たぶん振り返った瞬間、キスすることになってた気がする。

　「ちょ、なにいのちゃん」

　「んー？冷たいからあっためてもらおうと思って」

　「だからって直接触る必要ある！？」

　姿が見えなかったのは、レッスン場から出ていたからだったらしいちゃん。
手を洗って冷えちゃったから、とひかのお腹――それも服の下、地肌に手を這わしてる。

　息が上がり、汗が滴るほど体に熱が籠ってる俺たちだけど。
さすがに冷え冷えの手でお腹触られると冷たいって。

　そんなの知ったこっちゃない、とばかりにちゃんはひかの肌をさわさわ撫でているけどね。

　「あーもう・・・いのちゃん、こっち」

　ひとつ息を吐いたひかは、服の中でもぞもぞ動くちゃんの手を捕まえた。