ソマシャムの優雅すぎる日常 (ページ5)

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　ぱちっと目が覚める。
腕の中にいるけいはまだ眠ったまま。

　ちらっと視線だけを外に向ける。
随分と眠っていたのか、窓の向こうは薄暗くて。

　けいが起きればごはんかな。
思いながら、視線をけいへ戻す。

　すやすやと眠るけいはかわいい。
穏やかな顔も、にこにこ笑っている顔も。

　初めて会ったときから、完全に心奪われていた。
かわいさに射抜かれ、男と知っても落胆はない。

　だってさ、別に子どもを残すこと期待されていない。
ずっと一緒の場所で暮らしていくと思っていたから。

　他に仲間が増えない限り、ふたりきりは保障されていて。
だったら想う相手といられるだけで、しあわせで。

　なんて、暢気なこと考えていたのに。
予想外にもけいは俺を好きになってくれた。

　寄り添って、たまにキスなんてして。
この生活が続くと思っていたのに。

　ある日突然、途方に暮れる境遇になり。

　保護された先は、たくさんの仲間。
当然、かわいいけいへ言い寄ってくる奴も多かった。

　盗られたくなかったから、けいを守っていたけど。
そこにはふたりきりのときと違って、女の子もいたから。

　そのうちけいが俺以外を好きになるかも、なんて。
そうなれば諦めよう、って決心していたのに。

　けいは俺だけを見ていてくれて、俺といるために必死だったから。

　俺もそれに応えるよう、全力でけいの隣を守ってきたんだ。

　「ん・・・ひかる」

　「けい？」

　「おはよ、ひかる」

　寝起きの、とろんとした表情。
瞼はまだ重そうだけど、俺の首へ手を回したけいが、ちゅっとくちづけてきたから。

　その後頭部を固定すると、啄むキスを降らせた。