・・・・・ ページ4
暫くごろごろしてたけど、案の定けいがうとうとし始めて。
抱き締めていた体を抱き上げると、ソファーへ。
いつもならクッションに移動するけど、今日はけいといないからいいでしょ。
けい、このソファー好きなのに。
けいとがいるときは近寄らないからね。
「んん・・・ひか―――」
「おやすみ、けい」
ソファーの背凭れ側へけいを寝かせ、ゆるく抱き寄せる。
もぞもぞ納まりのいい場所を探すけい。
ぴたりと止まれば、目を閉じたまま少しだけ顔を上げるから。
求められるまま、ちょんと鼻を合わせた。
鼻キスすると、ちょっと不満そうな表情になったけど。
眠気が勝ったのか、文句はなく。
すぐにすーすーと寝息が聞こえ始めた。
眠るけいのぬくもりに引き込まれ、俺も瞼が重くなる。
こんなに安心して眠れるのも、ここへ来てから。
保護施設でのお昼寝は命懸け、って言うと大袈裟かもしれないけど。
眠っている間に引き離される可能性だってあったから。
うとうとしていても、神経は張り詰めたまま。
たくさんいた仲間?が動いても、跳ね起きるくらいぴりぴりしてた。
けど、ここは―――けいとは、俺たちが懐かなくても怒らない。
ちょっと悲しそうな顔はするけど。
隙を見せれば触られるんじゃないか、って警戒心を見せるけいに向かってよく言うのは。
ふたりが嫌がること、俺はしないよ。しあわせに過ごしてほしいだけ。
だから安心して。絶対離したりしないからね。
そう俺たちに向かって―――けいへ言い聞かせるように笑うんだ。
けいはまだ半信半疑みたいだけど。
俺は信用していいと思ってる。
初めて会ったときから、嫌な感じのしなかったけいと。
だからこそ簡単に近付いちゃって、けいを不機嫌にさせてしまったわけだけど。
いろいろと考えていたら、本格的に眠くなってきて。
けいの身体を抱き締め直すと、目を閉じた。
55人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:晶 | 作成日時:2018年7月23日 0時