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 暫くごろごろしてたけど、案の定けいがうとうとし始めて。
抱き締めていた体を抱き上げると、ソファーへ。

 いつもならクッションに移動するけど、今日はけいといないからいいでしょ。

 けい、このソファー好きなのに。
けいとがいるときは近寄らないからね。

 「んん・・・ひか―――」

 「おやすみ、けい」

 ソファーの背凭れ側へけいを寝かせ、ゆるく抱き寄せる。
もぞもぞ納まりのいい場所を探すけい。

 ぴたりと止まれば、目を閉じたまま少しだけ顔を上げるから。
求められるまま、ちょんと鼻を合わせた。

 鼻キスすると、ちょっと不満そうな表情になったけど。
眠気が勝ったのか、文句はなく。

 すぐにすーすーと寝息が聞こえ始めた。

 眠るけいのぬくもりに引き込まれ、俺も瞼が重くなる。
こんなに安心して眠れるのも、ここへ来てから。

 保護施設でのお昼寝は命懸け、って言うと大袈裟かもしれないけど。
眠っている間に引き離される可能性だってあったから。

 うとうとしていても、神経は張り詰めたまま。
たくさんいた仲間?が動いても、跳ね起きるくらいぴりぴりしてた。

 けど、ここは―――けいとは、俺たちが懐かなくても怒らない。
ちょっと悲しそうな顔はするけど。

 隙を見せれば触られるんじゃないか、って警戒心を見せるけいに向かってよく言うのは。


 ふたりが嫌がること、俺はしないよ。しあわせに過ごしてほしいだけ。
 だから安心して。絶対離したりしないからね。


 そう俺たちに向かって―――けいへ言い聞かせるように笑うんだ。
けいはまだ半信半疑みたいだけど。

 俺は信用していいと思ってる。

 初めて会ったときから、嫌な感じのしなかったけいと。
だからこそ簡単に近付いちゃって、けいを不機嫌にさせてしまったわけだけど。

 いろいろと考えていたら、本格的に眠くなってきて。
けいの身体を抱き締め直すと、目を閉じた。









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作者名: | 作成日時:2018年7月23日 0時

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