・overprotection day（yb） ページ10
お昼時、わいわいと賑やかな子どもが多く集まる場所。
子ども、とは言っても学生というだけで成人した人間が大多数。
大きな門構え、そこが正面から見通せるところに車を停めて。
もう暫くすれば出てくるはずの影を待つ。
毎週、同じ曜日、同じ時間。
ここで待つようになってから、もうひと月半が経った。
今日はイレギュラーで車だからいいものの、これからは外で待つのが辛い時期になる。
目の前を通り過ぎていく多くの学生は、寒さなんて感じさせないほど若いけれど。
数年前は自分もあの中に居たはずだが、いまとなっては思い出せもしない。
寒さが身に染みるな、なんて年寄り染みたことを考えていると。
ちらり、探し求めていた影が集団の中から覗いて。
教材の入った鞄を重そうに、肩へ掛けて歩く姿。
ふぅ、とひとつ大きく息を吐いて。
助手席へ放り投げていたスマホを手に取った。
見慣れた――覚えてしまっている――番号を呼び出すと、コールを始めて。
「もしもし？」
待ち構えていたように、１コールで繋がった電話。
もしもし、と応じた声も俺がなにを言うのか理解している様子で。
「いまから連れて帰るから」
短く告げれば、分かった、とそれ以上に短かった返事。
これから電話の向こうでは、忙しくいろいろなものが準備されていくだろう。
門の外、ひとりぽつんと立って。
居るはずなのに居ない俺を捜し、どこか不安そうな表情をしている病人を迎えるための。
「伊野尾」
「あ、やぶ・・・」
車から降りて、道路を渡り。
大学の門前に立つ伊野尾に声を掛けた。
ひとりで突っ立っていた伊野尾に、一緒にお昼を食べに行かないか、と声を掛けていたどこぞやの有象無象はひと睨みしておいて。
横合いから掛かる声を完全無視していた伊野尾が、俺を呼んだことですぐに立ち去った小者。
「やぶ遅い」
「ああ？居たぞ、あそこに」
あざとく頬を膨らませる伊野尾。
ほんのり赤くなっている頬やその仕草が、周囲の男を煽っているけど。
本人はそんな気がないから、なかなか厄介だ。
あそこ、と車を指差せばきょとんと不思議そうな顔。
「帰るぞ」
反論の余地を許さず告げると、鞄を取り上げその腕を引いた。
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晶(プロフ) - わらわそうさん» とんでもないです。先に違うお話からスタートかもしれませんが・・・��へと続く一歩にはなりますので。そこからのんびり続けていければいいかな、と思います(´▽｀) (2019年12月19日 1時) (
レス) id: ff1d608c56 (このIDを非表示/違反報告)
晶(プロフ) - わらわそうさん» なのですよね〜不思議ですよね〜（笑）ってめちゃくちゃ他人事ですけどｗこれからどうなるかは分かりませんので(￣▽￣) (2019年12月19日 1時) (レス) id: ff1d608c56 (このIDを非表示/違反報告)
わらわそう(プロフ) - 晶さん» こんな雑なリクエストを受けてくださりありがとうございます！！！出来上がるの、楽しみにしております！！ありがとうございます！！ (2019年12月18日 6時) (レス) id: 1c0b49b53a (このIDを非表示/違反報告)
わらわそう(プロフ) - 晶さん» なんとっ！！？？あんな、あんな恋する乙女のような顔をしていながらですか？！イケメンって罪なんですね...(TT)めっちゃ付き合って欲しい所でした^∇^ (2019年12月18日 6時) (レス) id: 1c0b49b53a (このIDを非表示/違反報告)
晶(プロフ) - まみむめももさんさん» はじめまして〜やっぱりじれったいですか？くっつけてあげたい気持ちはあるのですけど、当然問題は光くんでしてｗというより大人組全員が家族愛強すぎてどう脱出させようか、という感じですね〜気にして下さる方も多いので真剣にこれからを考えていきますね！ (2019年12月18日 1時) (レス) id: ff1d608c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晶
| 作成日時：2019年12月10日 22時
