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中学入学後、半年ほど経って。
部活後に帰宅していれば、後ろから掛かる声。
それだけで誰なのか分かった俺は、振り返ると―――そこには薮と、薮を取り囲む数人の女の子。
その光景に、ぎょっとしたのは俺だけ。
薮は、自分の周りに居る女の子のことなど露とも気にしていない。
『光、帰りか？』
『あ、うん、そうだけど・・・』
『どうした？』
いや、どうした、じゃないだろうよ。
俺に近付いてくるまで、互いを牽制するように言い合いをしていた女の子たち。
それが、いま、すべて俺に向いている。
薮は腕に触れられていたり、鞄を掴まれていたりするのに存在を一切無視。
俺だけが見えているように、話し掛けてきて。
そのうえ、わざとだろうけど笑みを浮かべていて。
こいつ、性格悪すぎる。
このとき初めて薮に対してそう思った。
同時に、女って怖すぎる、ということも知った。
だってさ、ついさっきまでお互いを敵として見てたよね？
こいつには負けない、っていう鋭い目をして睨み合ってたよね？
なのにさ、いまその目は俺に向けられて。
女の子は全員でこそこそ話をして、一致団結の判断を下した様子。
つまり“敵は俺”だと。
薮は女の集団が持つ認識が変わったことまで分かっている素振りなのに、態度を改めようとはしない。
俺のことをここから逃がしてくれる気も、ない。
それどころか、久しぶりに一緒に帰るか、なんて言って。
俺の肩に腕を回して組んでくる。
それでなお一層、女の集団から向けられる寒波は酷さを増した。
逃げ出したい、逃げ出したいけど。
俺の恐怖に震える心理を正しく感じ取っているくせに、薮は腕の力を緩めない。
むしろ、ここから逃がさないと主張されている。
こんなことが、一か月の間に数回繰り返されて―――
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晶(プロフ) - ねむりねこさん» どんなお話を想像されていたのかが分からなかったので、つまらなくはなかったかな、と不安が大きく。ですが、楽しんで頂けたのであれば良かったです(*‘∀‘)こちらこそ、リクエストありがとうございました！のんびり頑張ります。 (2019年12月10日 1時) (
レス) id: ff1d608c56 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。光くんと薮くんの昔話をリクエストさせていただいたものです。想像していたよりもとてもとても楽しかったです。ありがとうございます。これからもいろいろなお話を楽しみにしています。 (2019年12月9日 19時) (レス) id: e9dda28e54 (このIDを非表示/違反報告)
晶(プロフ) - わらわそうさん» ありがとうございます(^^ゞ分かり難い甘やかし方ではありましたが、甘やかすほうも素直じゃないですからね（笑）みんなしっかりいのちゃんの様子も、ふたりの関係も見守っていると思います〜これからも頑張ります！ (2019年12月5日 20時) (レス) id: ff1d608c56 (このIDを非表示/違反報告)
晶(プロフ) - 凛瑚さん» こんばんは！年上組＋大ちゃんに甘やかされるいのちゃん、でも光くん一番は不動です（笑）感謝はしていると思うのですよ？素直には言えないだけで。なにより楽しんで頂けて良かったです〜今後も見守って頂ければうれしいです♪リクエスト、ありがとうございました！！ (2019年12月5日 20時) (レス) id: ff1d608c56 (このIDを非表示/違反報告)
わらわそう(プロフ) - 更新お疲れ様です！年上組に甘やかされてるいのくんめっちゃよかったです！なにより皆が微笑ましく見守ってて暖かい気持ちになりました(*^^*)これからも応援しております！ (2019年12月5日 8時) (レス) id: 1c0b49b53a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晶
| 作成日時：2019年12月1日 21時
