救世主 ページ4
東京は夜でもうるさい。
街をとぼとぼと歩き続ける私にサラリーマンらしきおじさんが声をかけてくる。
「おねーちゃんかわいーね。2万でどお?」
「...」
もう帰る場所がない。
路地裏へと強引に肩を掴まれ引っ張られていくのに私は抵抗できない。
セーラー服のスカートを捲られてはぁはぁと息遣いが荒くなっていく。
怖い。手が動かない。
胸を適当に揉まれて
あーなんで私の人生こんななんだろうな
いつまで経ってもつらいまま。
もうなにもかも諦めよう。
なぜ涙が出るのか分からないけどゆっくり目を瞑ると生暖かい水滴が顔をなぞる。
「おい。じーさんなにやってんだ」
声に反応し目を開けるとそこには長身で黒髪の男が立っていた。
「だめだろ。どっか行けよごみが」そう言うと思いっきり拳を壁に打ち付け壁がパラパラと壊れている。
「ひっ」おじさんはズボンとベルトをガチャガチャ直し走って行った。
「だいじょーぶか?」私に手を差し伸べた人は私を起き上がらせる。
「きみさぁ、こーゆーの良くないよ。」
手を後ろにまわし頭をガシガシ掻きながら言うこの人に私は少々腹が立った。
10人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:macopo | 作成日時:2023年7月29日 1時