不器用なキミが好き (ページ8)

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7話ページ8

「なぁ、俺ら友達になんない？」

「はぁ？なんでよ」

ベンチに腰掛け2人で談笑してからどれくらい経っただろうか。
あれから学校のことやらたわいもない話で意外と話し込んでしまい(というか一方的に話された)いつの間にか日が落ちて辺りは真っ暗になっていた。
この男のコミュニケーション力には本当に驚く。

「だってさ、梓ちゃん面白いしいい子だし友達になりたいな〜って」

「何、容易く名前で呼んでるのよ！」

「スンマセーン。お姫様〜」

「だからその呼び方やめてってば！」

怒る私を見てヘラヘラと笑うこの男。
完全に私をからかってる。

「私、あんたが思うほど全然いい子じゃないわ。
私と友達なんて、やめた方がいいんじゃない？
こんな性格だしきっと嫌な思いさせちゃうし。
ずっと1人だったから別にそれでいいもの。」

俯き、スカートの上に置いた拳をぎゅっと握る。
そうだ。私みたいなわがままで性格がきつい女と友達なんてやめた方がいいに決まってる。
幾度となくそれでトラブルを起こしてしまっているし
友達なんて出来た試しがない。

だが、返ってきた答えは予想とは違った

「何で？自分のこと考えず猫助けるとかさ超いい子じゃん？俺が友達になりたいんだよ。それ以外に理由とかいる？」

「何それ・・全然意味わかんない」

本当はすごく嬉しい。友達なんて出来たことなかったから。なのに、ありがとうって言いたいのに口から出てくる言葉はいつも棘棘しくなってしまう。

「んじゃ、今日から俺ら友達ってことで！
梓ちゃんの友達第一号としてよろしくな！
あ、あとこれ俺のメアドと電話番号、じゃあまた明日もこの公園で！」

「ちょっ、ちょっと待って私まだ友達になるなんて言ってない！ー・・って聞いてるの！？」

渡された紙切れにはメアドと電話番号が書いてあった。
パッと見上げた時には彼はもうすでに遠くに行っておりこちらにぶんぶんと手を振っていた。

「もうなんなのよ」

そう思いながらも渡された紙切れを見て少し心があったかくなるの感じた。