送って ページ6
なんとか気持ちを落ち着かせて、MV撮影も無事終了。
時刻は深夜の3時を回っている。
ほぼ、1日かけて撮影した。
疲れた…それにしてもジョンデの件どうしよう。
いや、もうどうしようもできないんだけども。
CH「ヌーナ！」
「ひゃっ…ジョンデ…」
突然肩を叩かれて驚いた。
振り向くとにこにこ顔のジョンデ君。
CH「ヌナ、車でしょ？送ってって」
「え？！みんなでマネージャーの車で帰りなさいよ」
CH「置いてかれちゃったんだもーん。あと、渡したいものあるし」
渡したいもの？なんだろう？
首をかしげると、じゃんとジョンデが見覚えのある腕時計を見せる。
ホテルに忘れたままにしていた、
元彼からもらった腕時計だ。
「あ…」
CH「はやくー行こー」
鞄から出していた車のキーを奪われ、先に歩き出すジョンデ。
「ちょっと、待ってよ！」
帰りの支度を済ませて急いでジョンデの元へ駆け寄った。
CH「はい」
車の前でキーを渡してくるジョンデ。
「…一応、マスクもしてね」
キーを受け取って、
帽子だけ深くかぶってるジョンデにマスクを渡す。
宿舎に送るだけだから特に何もないけど、
もし撮られて記事にでもなったら面倒だ。
ジョンデにナビへ住所をいれてもらって車を発進させる。
ラジオだけが流れる静かな車内。
ちゃんと、話しておかなきゃだめだよね。
信号が赤になる。
「ジョンデ、この前のことだけど、私本当に記憶なくて…事務所の子に、しかもジョンデにそんなことしちゃうなんて本当にどうかしてた。
だから、、忘れてください！ごめんなさい！」
CH「ヌナ、彼氏と別れたんでしょ？」
「へ？…そう、だけど…」
私の忘れてください発言は見事にスルーされた？
CH「じゃあ、いいじゃん。別に、忘れなくても」
「え？」
CH「ヌナは元々覚えてないんだし、なかったことにしていいよ？俺は忘れないけど」
なんだか妙に寂しそうな顔をしたジョンデ。
CH「青だよ？」
「あ、うん」
信号が青に変わって車を発進させる。
なんでジョンデがあんな寂しそうな顔をするの…？
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作者名：蓮 | 作成日時：2018年6月30日 11時
