抱きしめる ページ32
結局、再びジョンデを自宅に連れて来てしまった。
ジョンデは帽子をかぶってマスクをしていたから
ハヌルさんにはきっと気づかれてないだろう。
CH「ヌナっ…俺、もうおかしくなりそうだった」
家に入った瞬間、きつく抱きしめられる。
CH「ヌナに見放されることがこの世で一番怖い」
ジョンデが話すたび、低く艶のある声が私の耳を掠めた。
CH「報道のこと、ちゃんと話させて？」
そのままスーパーでの出来事を話そうとするジョンデの話を遮る。
「今日、ギョンスから聞いた。
ごめんね、あんなひどいこと言って」
CH「ううん、でもこれだけは信じてほしい。
俺は、ヌナをからかったつもりなんて一切なかったし、全部俺の本心だよ？」
「え？」
どういう意味か分からず、顔を上げて
ジョンデの目を見る。
CH「俺はヌナの弟じゃないよ。
ずっと、好きだったんだ。
だからもう、弟として見ないで」
その表情はあまりにも辛そうで、
思わずジョンデの頬に手を添えた。
「私、もうジョンデのこと、弟としてなんて見れてないよ？」
CH「え？」
今度はジョンデが訳がわからないという顔をする。
「ジョンデが好き」
ジョンデは目を見開いて、
私の頭に手を添えて力強く抱きしめた。
CH「もう、俺、幸せすぎてどうしよう。
こんな日がくるなんて……」
息もできないくらい強く抱きしめられるけど、
今はこの力強さが心地いい。
「大袈裟だよ(笑)」
そう言って笑うと、「何もわかってない！」と頬を膨らませた。
「とりあえず…部屋、入ろっか(笑)」
そう、家に入った瞬間抱きしめてられたもんだから私たちはずっと靴も脱がず玄関で話していた。
CH「ははっ！そうだね、忘れてた(笑)」
眉毛を下げて笑うジョンデを久しぶりに見た気がする。
「可愛い」
下がった眉毛を指でなぞる
「こら」と言って眉毛をなぞっていた腕を引っ張って、
ちゅっ
と、唇にキスを落とすジョンデ。
CH「よし」
と口角をきゅっと上げて満足そうに笑うジョンデにまた心臓が跳ねる。
私、ジョンデと一緒にいたら心臓が保たないだろうな(笑)
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作者名：蓮 | 作成日時：2018年6月30日 11時
