気持ち ページ29
最近ずっと現場に出ていたから事務仕事が溜まりに溜まっていて、時刻は20時を回っていた。
もっと早く帰る予定だったのに…
まあいっか、明日の仕事は朝遅めだし。
帰る支度をして車が置いてある駐車場に向かう。
私の車の横に誰かが座っている。
遠くからでもわかる。
「……ジョンデ……？」
CH「……ヌナ！！」
私に気づいて駆け寄るジョンデ。
「わっ」
ぎゅーっと力強く私を抱きしめる。
「うっ…ジョンデ、苦しい…」
CH「あ、ごめん」
CH「ヌナ、報道見たかもしれないけどあれ嘘だから。信じないで？」
そしてまた私を優しく抱きしめる。
「ジョンデ、やめて」
こんなの、私が辛いだけじゃない。
「わざわざ私に報告しなくてもいいのに」
CH「え？」
ジョンデがパッと腕を解いて、私の顔を覗き込む。
「私には関係ないことだから」
なんで、こんなことしか言えないんだろう。
CH「まって、ヌナ。ヌナには誤解されたくないんだよ」
「もう、からかわないで」
記事の写真を見て思った。
可愛らしいアルさんに、優しく微笑むジョンデ。
CH「ヌナ…？」
私みたいに男に振られてやけ酒して、
可愛げもない女。
ジョンデの優しい言葉に自惚れていただけなんだ。
「30手前で振られた女に同情したんでしょ？
それとも、面白かった？自分の言葉、行動にいちいち靡いてるのを見て」
CH「ヌナ、違うよ。話ちゃんと聞いて？」
「ジョンデが誰と付き合おうと、何をしようと私には関係ないから」
ジョンデを押し退けて車に乗り込み発進させた。
勝手に被害妄想をして勝手にジョンデに当たっただけじゃない。
はあ、かっこ悪い。
自分でもわかってる。
報道を見てモヤモヤした気持ちは嫉妬で、
ジョンデの言葉や行動に一々舞い上がっていた。
気持ちはどんどん大きくなっていって、
ジョンデのことが好きなんだって。
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作者名：蓮 | 作成日時：2018年6月30日 11時
