弟だと思ってたのにーCHENー (ページ1)

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見知らぬ天井ページ1

チュン…チュン……

小鳥のさえずり、カーテンの隙間から覗く朝日。

清々しい朝

……とは程遠く………

「…ん……あっっったま痛い…」

昨日飲みすぎたのか、頭痛がひどい。

思い瞼を開けると、目の前に広がるのは見知らぬ天井。

ん？

横を見ると、広いベッドに私1人。

隣にはさっきまで誰かいた様子。

「…えっ？！」

急いでシーツの中の自分の体を確認する。

パンツは履いてるけどブラはしていない…
バスローブを見にまとった私の体。

「ちょ…まじか……」

昨日の記憶が全くない。
誰とこのホテルに来たかも覚えていない。

どうやら私はやらかしてしまったらしい。

床に散らばった自分の服たちを急いで着る。
そーっと寝室を出て様子を確認する。

遠くからシャワーの音が聞こえるから
昨日やっちまったであろう人はシャワーを浴びてる様子。

椅子には深いグリーンのジャケット。
胸ポケットには赤いバラの刺繍がワンポイントで置いてある。

可愛いジャケットだなあと思いつつも、

とりあえず……逃げよう。

物音を立てないようにそそくさとホテルを後にした。

タクシーを拾って家に向かう車内。

昨日は2年付き合った彼氏に急に別れを告げられて、
いつも行くワインバーに行ったんだ。

そろそろ終わりかなとは思ってたけど、
覚悟はしていてもいざ言われると虚しくて。

メッセージだけの簡単な文。
その一通だけで別れを告げられたもんだから、
私もあって話そうなんて言う気になれなくて、

そのまま「わかった」とだけ伝えて、
マスターに話を聞いてもらいながらワインを…

何本あけたんだっけ？

結構飲んだよね…マスターと一緒に飲んでたけど
ほとんど私が飲んだようなもんだし。

飲んでる途中に誰かに会って話した気もするけど、
さっきホテルにいたのはその人だったのだろうか。

やばい、ぜんっっぜん思い出せない！

家の前で止まったタクシーを出る。

今何時だろう？昼から仕事だし、そんなにゆっくりできなさそうだな。

そう思って腕時計に目をやるけど
…時計がない！！！

ホテルに置いて来た…？

今戻ったら絶対に鉢合わせする…
まあいいや、元彼に貰った物だし。
…ちょっと良い時計だけど。

時計は諦めて、家に帰った。