13.憎シミト愛オシサ ページ19
鬼狩りとして最低な事を思った。
この血の匂い死の匂いが私の家族ではなく全く別の人間であって欲しいと。
人間を守るべき者であるはずの私が思ってしまった。
心音よ…止まれ…止まれ…
ドクンドクン
マッチに入れる手の力加減が分からなくなるくらい私の心臓の音は激しく脈を打っていた。
やっとの思いでマッチに火がつき、家のろうそく全てに火をつけた。
分かっていた。
でも受け止めたくなかった。
そこには2人の死体が転がっていた。
『かなめ!かいと!』
死体をよく見れば1週間以上放置されたものだと分かった。
手紙が来なかったのもこういうことだろう。
『ごめんね…かなめ…かいと…お姉ちゃん…強くなったつもりだった…家族のこと守れなかったごめんね…』
涙が溢れた。
『!!』
私は察知した。
懐かしい匂いと鬼の匂いが混ざった匂いが近づいている。
きっとこの2人を食べた鬼だ。
私は急いで外に出る。
『は…?なんで…』
「お前は…千尋か?随分と嫌な格好になって」
そこに居たのは私の父だった。
いつもの父ではなく鬼と化した父。
『…かなめとかいとを食べたのね。その血。』
1週間以上経つというのにまだふき取っていない血から、かなめとかいとの匂いがした。
「俺が殺しちまった」
へらっと笑う父の様子に憎しみの感情が私を包み込んだ。
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のえる(プロフ) - 花の精霊百合花さん» ほんとだありがとうございます笑 (2019年11月12日 1時) (レス) id: b16da9fff7 (このIDを非表示/違反報告)
花の精霊百合花(プロフ) - 作者さん誤字してませんか?笑止千万なはずです、承知になってますよ (2019年11月11日 15時) (レス) id: 33e3ced249 (このIDを非表示/違反報告)
のえる(プロフ) - マモルさん» 人それぞれの解釈なので、私の価値観を押し付けるみたいであまり言いたくないのですが夢主ちゃんは鬼を嫌っていながら何処か最後は幸せになって欲しいと思っています。なので、鬼の首を着る時はなるべく干天の慈雨を使っているという感じです…( .. ) (2019年11月4日 16時) (レス) id: b16da9fff7 (このIDを非表示/違反報告)
マモル(プロフ) - 気になったんですけど、干天の慈雨は鬼が自ら首を差し出した時に使う技なので突っ込んで来てる鬼には使わなくていいと思ってしまって… すみません、作者なりの考えがあるとお思いでしょうがそれが気になってしまい… (2019年11月4日 16時) (レス) id: 58a48f54b9 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - アンケートにこちらで答えさせていただきます!私は冨岡さんの継子がいいです (2019年10月30日 6時) (レス) id: 39433c79c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のえる | 作成日時:2019年10月26日 1時