３８ 特級案件 ページ40
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なんてことない1級案件の仕事だったはずだ。
でも任務場所に来てみれば確定で特級案件。
生得領域結構広いな。高さは10階建てビルぐらいかな。本当はここ2階建ての廃病院なのに。
私大丈夫かな。こんな術式をまともに使えない場所ではちょっと厳しいんだけど。
本当に最近呪霊の等級違いすぎるんだよね。正確な等級にしないとどんどん死人がでるよ？
そこんとこ大丈夫？
バーン！
バンバン！
《ｱ"ｱ？……ﾊｯﾋｬ-！》
上の方から戦闘音と呪霊の声が響いている。
私の他にも派遣されている人がいるのかな。いや、もしそうなら私に連絡が来ているはず。
他に考えられる可能性としては、3つ。
1つ目は呪霊と一般人が戦っている可能性。でも、ここは廃病院だから一般人がいる可能性はかなり低い。
2つ目は呪霊同士が戦っている可能性。でも、呪霊同士が戦うなんて前例がなかったと思うし、これもかなり可能性低いんだよね。
3つ目は呪霊と呪詛師が戦っている可能性。これが1番可能性が高い。
どれにしても任務の報告書を書かないといけないから祓われる前に行かないと。
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一般人side
なんだこの異形型。
こんなに人間離れした容姿の奴初めて見たぞ。
《ﾋｬﾋｬー！》
奇声を上げながらこっちに突進してくる相手を捌いていると、背後から走ってくる足音が聞こえてきた。
こいつの仲間か？
めんどくせェことになった。
「えっ、一般人？なんで一般人が廃病院にいるの。」
「あ"？オマエこそなんだよ。JCだろ？中学生がこんなとこくんじゃねェよ。」
JCと話している間も異形型は丸い塊をこっちに投げてくる。
それを難なく刀で切るJC。
コイツどこから刀出した？個性か？
《ｱ"-！》
個性で炎をぶつけてもダメージを受けていない。
異形型が奇声を上げながらJCの方へ向かっていく。このままではJCが異形型にやられてしまう。
これやばくねェか？
今JCが死ねば異形型の標的が俺になる。今から逃げても異形型の身体能力を見ればすぐ追いついてくるのがわかる。
詰んだな。
諦めかけていた俺の目に映ったのは、腕を上げながら向かっていく異形型にJCが異形型の腕目掛けて刀を振り上げて腕を切る姿だった。
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作者名：ゆずき | 作成日時：2021年6月21日 7時
