３０ 戦闘経験の差 ページ32
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「そういうのって不意打ちでするものじゃないんですか？」
「そうだろうね。でもこっちはハンデをもらっているからね。」
「……ハンデ？」
「そうさ、私は君の術式、扱える呪具、戦闘方を知っている。それに加えてここは君が戦いにくいフィールド。
こんなに沢山のハンデがあるのに不意打ちで戦闘不能にするのは、格好悪いだろ？」
この人特級呪詛師なんだっけ？
分が悪すぎない？
「これ私、負け確じゃね？」
＿＿＿＿＿＿＿
そうして始まった戦闘、相手の術式は呪霊操術、呪具は特級呪具の三節棍。
普通にやばいんだけど、相手余裕そうだし。
私の呪具は1級呪具の『
対術師、呪霊には強いけど傑さんはこの呪具の効果を知っているので、三節棍で受け止めるか、避けるの2択でずっと攻撃が当たっていない。
それに対して向こうの攻撃は何発か当たっている。
あの人わざと同じ所ばっかり狙ってくる。性格悪いし大人げねぇな。こんな所で戦闘経験の差がでている。
「そろそろ降参したらどうだい？そうすれば百鬼夜行の後に回復できるぐらいにしといてあげるよ。」
「大丈夫です。それよりそっちは術式使わないんですか？呪霊操術ですよね？沢山出したら簡単に勝てるんじゃないですか？
あ、それとも出せないんですか？百鬼夜行前に戦力削りたくないですもんね。」
多分、ここで階級の高い呪霊を出すとは考えにくい。もうすぐそこに迫っている百鬼夜行前に貴重な戦力は削りたくないはずだから。
それにこの人呪具だけで私に勝てると思ってる。そりゃ私のほうが呪具の扱いに慣れてないと思うけどね。
「はは、よく喋るね。じゃあそろそろ決着つけようか。」
そう言いながら傑さんは芋虫のような呪霊の口から刀を出した。
「この呪具はね、悟に傷を負わせたこともある呪具らしいよ。」
五条様に傷を……。今では想像できないな。
「そうです……か！」
その瞬間、突然背後に現れた呪霊に私は背中を刺された。
私が最後に見た光景は走ってこちらに向かってくる傑さんが、私の頭を目掛けて刀を振り下ろす所だった。
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作者名：ゆずき | 作成日時：2021年6月21日 7時
