２１ なんだこの人 ページ23
一般人side
何スカこいつ。
いくら個性使っても倒れる気配が無い上にこっちは避けるので精一杯。
《ﾊﾔｸ…ﾊﾔｸ…ﾁｦﾐｾﾛ！！》
「っ！！」
やばいっス。相手の攻撃が脚に当たった。
傷は深く無いはずなのにどんどん血が流れてる。
《ﾋｬﾋｬ！ｱﾀｯﾀ！ｱﾀｯﾀ！！》
まだヒーローにもましてやヒーロー科にも入学出来ていない。
まだ死ぬわけにはいかないっス！
しかしそんなことを考えている間に敵はどんどん俺に近づいてくる。
《ﾋｬﾋｬ！ﾓｯﾄﾁｦ＿＿グサ＿＿ｱ？》
その言葉と共に目の前の敵は半分に切断されていた。
そして怪物の前に突然現れた俺と同じぐらいの歳であろう女。
右手には刀を持っている。
「んー。こいつは何級だったのかな？2級以上は確実なんだけど…とりあえず連絡しよ。」
そう言うと女はスマホを使ってどこかに連絡を取っている。
「もしもし、天宮です。お疲れ様です。2級術師の死体の処理をお願いしたいのですが…はい、山梨の＿＿＿。」
それから少しして女は電話を切った。
「あ、アンタは。」
「ん？あぁコイツか。あなた高校生？」
女は俺の目の前にしゃがみ、目線を俺に合わせてきた。
「いや、中3っス。」
「ふ〜ん、私天宮A。私も中3なんだ。よろしくね。」
「俺は夜嵐イナサっス！よろしくお願いします！
あの…倒れてた人って…。」
「あぁ、死んでるよ。」
「そう…スか。」
人が死ぬ事をなんでもないように淡々と答えたAさんに少しの恐怖を抱いたと同時に「やっぱり。」と思った自分に驚いた。
「てか、怪我してるね。痛い？」
「いや、今はそんなにいたくないっス。」
「そっか。」
Aさんは立ち上がり刀を上に放り投げた。
上に回転しながら上がっていった刀は何故か空中でパッと消えた。
凄い！！
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作者名：ゆずき | 作成日時：2021年6月21日 7時
