１１ 髪の長い男 ページ13
？side
乙骨と狗巻が準1級呪霊と戦っている間、髪の長い男は高いところからその様子を見ていた。
「残念。噂の里香ちゃんを見にきたのに。同じ特級、早く挨拶したいなぁ。」
「そこで何をしてるんですか？」
やっと来たか。
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Aside
Aが男に話しかけると男はAが来る事を知っていたかのような口ぶりで話してきた。
「やぁ、思ったよりも遅かったね。君ならもっと早くここに来れただろう？」
「はい。でもあの2人が絶対にあの呪霊に勝てる確信がなかったので最後まで見てました。」
「そう。相変わらず君は優しいね。」
相変わらず？私この人と会ったことあったっけ？
「あの、私達会ったこ＿＿「さぁて、私はもう帰ろっかな。見るもの見たし。」＿＿あ。そうですか。その前に少し質問いいですか？」
「もちろん良いよ。」
まさかのいいよ。拒否されると思った。
「貴方ですよね？あの呪霊だしたの。」
「そうだよ。」
「何故あの呪霊を出したんですか？」
「んー。あえて言うなら、君達の実力を見たかったからかな。」
「そうですか。」
「他に聞きたいことは？」
「ありません。ありがとうございました。」
この人から少し残穢が残っているから嘘はついていないだろう。
「君、私のこと捕まえなくていいの？」
「怪しい人を見つけたら捕まえるって教えてもらってないですし、それに私、負け戦には参加しないので。」
「へー。自分が負けるって分かるんだ。」
「はい。貴方、明らかに強いですよね？」
「まぁね。」
じゃあまたね。と言いながら、髪の長い男の人は去っていった。
あの人、呪詛師かな？
まぁ、仮に呪詛師だったとして今回は捕まえろとか言われてないし別にいいよね。
私は言われたことをするだけだし。
この事は一応五条様に言った方が良いだろうか。
狗巻先輩が準一級呪霊のことを報告するからどうせ私の方にも聞かれるんだろうな。
面倒くさい。
「天宮さーん！！何してるの？！帰るよー！！」
声のした方へ向くと乙骨達が手を振りながらAの事を呼んでいた。
乙骨はさっきまで恐怖を感じていた人とは思えないような笑顔を浮かべている。
呪術師はある程度のイカレ具合が必要と学長が言っていたが、乙骨はどうなんだろう。
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作者名：ゆずき | 作成日時：2021年6月21日 7時
