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９６ もう1人の壁 ページ19
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「まじか、想像以上に抜け出すの早いな。」
「しょうがないなぁ。この私が颯太くんのの尻拭いをしてあげよう！」
そう言いながら私はゲート付近にある池の水を自然相術で操り水の球体を作り出した。その中に七海を閉じ込めてゲートと反対側へと追いやった。
「さ！ゲートに向かうよ！」
「お前容赦ねぇな。」
「建人くんには液体に閉じ込めるのが1番いいんだよ。対象がないと建人くんの術式使えないから。」
攻撃能力はないからあんまり期待できないんだけどね。
しばらくは時間が稼げそうだ。
私の呪力感知が正しければゲートにいるのは厄介な相手だ。
パンッパンッ
住宅街を抜けた瞬間に聞こえた音。
隣から感じるのは颯太の呪力ではなく過去に一度だけ会ったことのある人の呪力。そしてゲートには遠くに飛ばしたはずの建人くんの呪力を感知した。
「アマミヤァ！！今度こそ俺と勝負だ！！」
……東堂先輩。この人は何よりも先に手を封じないと。
建人くんも状況把握をしてこっちに向かってきている。建人くんの術式を1発でも食らえば反転術式を使うことになり隙が生まれる。1発でも貰えばアウトだ。
後方で私の呪力が弾けた。颯太もこっちに向かっている所だろう。
"「抜刀！」“
こんなもので東堂先輩にダメージを与えることはできず、少し後ずさるだけだった。
「これからどうしよう。」
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作者名：ゆずき | 作成日時：2023年5月4日 17時
