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「そういえば光世ちゃんどこに行ったか分かる?」



「大典太殿、ですか?……いえ、存じませんね。彼は皆が集う場にいることはありませんので……」



「アタシ探してくるわ。聞きたいこともあるし」




数珠ちゃんは頷く。


席を立つと一部の刀剣たちからどこへ行くんだ、と聞かれたので適当に御手洗と答えた。




「さて、探すと言ってもねぇ」



離れまで戻ってみる?それとも大声で名前を呼んでみようかしら。


大声は却下ね。離れまで戻りましょう。




アタシは静かに喧騒から離れた。



ここにいる刀剣達はアタシの刀剣達とは全然違う。


アタシの刀剣達はみんな世話焼きで甘えっ子だった。



アタシが落ち込んでても黙ってそばにいる、なんてかっこいいこともできずに「主どうしたんだよ!」なんて慌てながら騒ぎ回るし



泣いてる時だって静かに抱きしめてくれる、なんて色気のあることもできないで馬当番終わったそのままの内番服の袖で涙を乱暴に拭うし



嬉しいことがあればアタシの腰なんて気にせずにタックルみたいに抱きついてきてぎっくり腰にさせるし




……



なんで、こんなに楽しい記憶ばっかり蘇ってくるの。



そんなの思い出したって彼らは帰ってこない。




「アタシもあんたたちと一緒に死ねてたら……」






どんなに幸せだったか。



そんな言葉を遮るようにアタシの目の前に立った大男。





「……光世ちゃん、乙女の言葉は遮っちゃいけないのよ」




「……遮った、つもりはなかった」




表情は伺えないが、雰囲気で光世ちゃんが慌てているのはわかった。




ねえ光世ちゃん。今このタイミングで出てくるのはちょっと空気読めてなかったわよ。



一人で泣いてる時の女の涙は男は見ちゃいけないの。




「なんでここにいるのよ」



「……あんたが泣いていたから」



「ふふ、あんたって人の心に随分と敏感なのね」





服の裾で涙を拭いながらアタシは光世ちゃんを見た。




……酷い顔。



アタシはそんな顔を見たいわけじゃないのよ




「光世ちゃん、ちょっとアタシの頭撫でてみて」



「な、にを言っているんだ……!できるわけがないだろう。俺が触れたら……」




「早くしてよ!また泣いちゃうわよ!」




光世ちゃんはびくりと肩を揺らした。



しかし、恐る恐るというようにアタシの頭に手を伸ばすと、ぎこちなく撫で始める。






……こういう不器用な優しさとか





光世ちゃんはアタシの刀剣達によく似てるわ。

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翔、藍、love(プロフ) - 2話が抜けてるのですがただの3を打ち間違えただけですか? (2018年12月7日 14時) (レス) id: 32db5f9d5a (このIDを非表示/違反報告)
霧陰三文字 - あ、待って好き。← なんか始まったばっかりなのに泣きそうになってきました()更新楽しみにしてます! (2018年9月21日 1時) (レス) id: 4d70f7c8ca (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2018年9月9日 23時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄シャーベット(プロフ) - 好きです、愛してます(真顔)めちゃくちゃ面白かったです!更新頑張ってください!(ゆっくりで大丈夫ですからね!)応援してます! (2018年9月5日 15時) (レス) id: f6cb6ae02b (このIDを非表示/違反報告)
紗衣(プロフ) - この作品とても面白く読ませていただきました!続き待ってます。 (2018年9月4日 21時) (レス) id: 7d9698e044 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めありー | 作成日時:2018年8月27日 17時

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